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内需不足の原因は所得分配にあり、中国の専門家が指摘

吉田陽介    2023年9月11日(月) 8時30分

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中国政府は不動産政策の緩和や消費促進、民間企業の発展などの経済刺激策を示し、関連の政策を次々と打ち出した。写真は中国の露店。

■内需拡大のために必死になる中国政府

7月終わりの中央政治局会議で、中国政府は不動産政策の緩和や消費促進、民間企業の発展などの経済刺激策を示し、関連の政策を次々と打ち出した。さらに、外資企業の一層の投資を呼び込むなどの措置も取り、今年後半の成長率を上昇させようとしている。中国は改革開放以降、外資企業の投資が中国経済発展の「エンジン」だった。現在は中国企業も力をつけており、生産力も大幅に向上し、改革開放が「新たな段階」に入った。人々の生活レベルも向上し、ニーズも高度化している。そのため、中国政府は内需の喚起も重視している。

中国はコロナ禍や世界情勢の影響を受けて、経済成長がやや鈍化している。若者の失業率も20%を超えるという報道が出るなど、これまで中国政府が経済発展の「エンジン」の一つと位置づけてきた個人消費にも影響が出ようとしている。全人代で打ち出された目標成長率5.5%前後が達成できないと、中国政府の掲げる「人民の利益を中心」とする政策にも影響が出る。ゆえに、内需の拡大は非常に重要だ。

■「制限された消費水準」に消費者満足せず、消費部門への所得移転が必要

中銀国際証券公司の総裁補佐の徐高氏は8月29日に、自身のWeChatアカウントに「内需不足は所得分配の問題」と題する記事を発表した。

記事は、「内需不足とは、国内の消費や投資の需要が国内の供給能力を下回っていることだ。内需が不足している時に外需(純輸出)も弱いと、経済は総需要が不足し、生産能力が過剰になるという不況に陥る。ひどい時には、企業が大規模倒産したり、労働者が大量に失業したりすることもある。目下、わが国の内需はよりひっ迫している」と述べた。

記事の指摘は、現在の中国経済の状況を反映していると思う。現在の中国は、コロナ規制が緩和されて9カ月ほどになるが、徐々に回復軌道に乗せている段階で、本格的な回復には至っていない。また、政府が次々と刺激策を打ち出しているのは、人々の経済の先行きに対する期待も強くないことがうかがえる。

内需不足について、記事は、人の欲望に限りがなく、「制限された消費水準」は消費者を満足させることはできず、消費者は常にもっと消費したいと思うが、供給は投入要素の数や技術レベルの制約要因があり、常に制限がある。そのことから、「供給過剰、需要不足という問題は到底起こりえないと思われる」と述べた。

ただ、ケインズの有効需要の原理が説くように、商品への欲望があっても、お金がなければ意味がない。欲望とお金の両方がそろって初めて有効需要が創出される。それゆえ、投資を行って需要を喚起する必要がある。

記事も需要喚起の必要性を強調し、「製品の購入は、消費と投資の2つの目的があることを知る必要がある。消費は無満足だが、投資はそうではない。消費者は可能ならば常にもっと消費したいと思っている。だが、投資は多いほど良いというものではない。投資は投資リターンを得ることを目的とし、投資意欲の大きさは投資リターンの大きさに左右される。投資収益率が低ければ、投資家は購買力があってもそれ以上の投資商品を購入しようとはしないだろう」と述べた。

得られた所得をどこに振り向けるかは、個人の価値判断によるところだ。個々人は経済学がいう「合理的判断をする」人間とも限らず、「他の事情を一定とする」ことは難しい。

■経済の明るい見通しこそが「最大の対策」

だいぶ前の話になるが、7月17日に第2四半期の国内総生産(GDP)の伸び率が前期比0.8%の伸びにとどまったことが伝えられた時、「中国経済の不振はコロナ禍の傷跡効果があり、人々は本能的に期待を下げ、投資や消費を減らし、新型コロナ流行期のような不測の事態に備えてさらに貯蓄を増やすことを重視した」という見方があった。

新中国成立以降の歴史を見ると、中国は1959~1961年の「3年の自然災害」という大飢饉期を経験した。当時、中国人は災難に備えて食糧を節約した。2020~2022年のコロナ禍も「災害」の一つといえる。中国人が不測の事態に備え、お金を節約し、貯蓄を増大させる方向に動くのもうなずける話だ。

投資はリターンが重要で、期待が不足していると、収入を投資に振り向けることはせず、経済活動も活発さを欠くようになる。上述のように「不測の事態」も考えられるため、消費を手控えると個人消費にも影響が出る。

こういう事態を回避するにはどうしたらいいか。記事は「企業部門が消費者の所有であれば、投資家と消費者が統合できた。この時、投資収益率が低いために投資意欲が低迷すれば、企業部門はその所得を配当によって企業の所有する消費部門に移転し、消費者の所得と消費が増加する。そうすれば、低迷した投資が残したギャップを旺盛な消費が補い、内需を供給に見合った水準に維持させることができる」と指摘する。

消費部門への所得移転が行われれば、現在不足気味といわれている自動車や家電などの「大型消費」も増え、消費の活性化が望めようが、人々が消費したいと思うような社会の雰囲気が必要になってくる。それには、雇用の拡大や社会保障の充実などが必要となってくる。

企業部門から消費部門への所得分配は内需不足問題を解決する重要な措置だが、この問題は長期的なものだ。所得分配問題が改善を見ない時の措置について、記事は「企業部門(投資家)の投資意欲を高めること、すなわちマクロ政策による投資活性化」を図ることを挙げ、「製造業投資、インフラ投資、不動産投資の三者のうち、後者の二者は製造業投資のように生産能力の拡張をもたらし、供給過剰問題を悪化させることがないため、投資を刺激する主要な対象であるべきだ」と述べている。2008年のリーマンショック後の経済危機で、中国は4兆元の公共投資を行って困難を切り抜けた。

政府による公共投資は、ケインズも指摘するように、「呼び水」となるべきで、それに依存することは好ましくなく、民間の「アニマルスピリッツ(事業家の野心的意欲)」が重要となってくる。そのため、政府が経済回復につながる有効需要を創出し、民間企業の経済活動が活発になることが経済発展にとって望ましいことだ。だが、人々の期待が低い時は政府による介入が必要だ。

7月に民間企業活性化や消費活性化に向けた文書が次々出されたのは、政府が本格的な経済回復に向けて本腰を入れ、民間企業の発展を促すことによって雇用の受け皿を作り、今後の中国経済に対する人々の期待を高める意図があると思われる。

また、中国政府は2年前に「共同富裕」というスローガンを再び強調し、所得分配問題に取り組む姿勢を見せたが、その後、コロナ禍の拡大によって経済がダメージを受けたため、「パイ」を拡大することが強調された。

今の中国は経済回復のムードづくりをしており、記事が指摘する所得分配に向けた「初めの一歩」を踏み出したのではないかと筆者は考える。

■筆者プロフィール:吉田陽介

1976年7月1日生まれ。福井県出身。2001年に福井県立大学大学院卒業後、北京に渡り、中国人民大学で中国語を一年学習。2002年から2006年まで同学国際関係学院博士課程で学ぶ。卒業後、日本語教師として北京の大学や語学学校で教鞭をとり、2012年から2019年まで中国共産党の翻訳機関である中央編訳局で党の指導者の著作などの翻訳に従事する。2019年9月より、フリーライターとして活動。主に中国の政治や社会、中国人の習慣などについての評論を発表。代表作に「中国の『代行サービス』仰天事情、ゴミ分別・肥満・彼女追っかけまで代行?」、「中国でも『おひとりさま消費』が過熱、若者が“愛”を信じなくなった理由」などがある。

※記事中の中国をはじめとする海外メディアの報道部分、およびネットユーザーの投稿部分は、各現地メディアあるいは投稿者個人の見解であり、RecordChinaの立場を代表するものではありません。

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