訪日中国人、日本の喫茶店で忘れられない体験=「生後6カ月の子どもでさえも…」―中国メディア

Record China    2015年1月6日(火) 20時13分

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4日、新華網は、九州を旅行した中国人観光客の体験談を掲載した。資料写真。

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2015年1月4日、新華網は、九州を旅行した中国人観光客の体験談を掲載した。

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母の快気祝いに私と夫は仕事を休み、2泊3日で九州を旅行した。その際に訪れた、ガイドお勧めの喫茶店が忘れられない。店の名前は天井棧敷。景色が美しいことと、チーズケーキがおいしいことで有名だ。

私たちが訪れたときは満席だった。これほど有名な喫茶店だから、満席なのもうなずける。私と夫は順番待ちの紙に名前を書いて、外の小庭で美しい景色を眺めていた。20分後、名前を呼ばれて中に入ると、コーヒーの香りが漂ってきた。江戸末期に造られたという木製のテーブルや椅子が歴史を物語る。

店員が笑顔で案内してくれた席は、店で一番大きいテーブルだった。私は申し訳なくなって「年寄りと子どもを合わせて4人なのに、こんなに大きなテーブルなんて。外で待っている人もいるし、4人席に変えてもらいましょうよ」と言ったが、夫は笑って「さっきここに座ってたお客さんは何人だったかわかるかい?2人だよ」と返事をした。

どうして店内がこれほど静かなのか不思議に思って辺りを見回すと、その理由がわかった。座席はどこもゆったりしているのに、お客さんはみんな1人か2人で来ていた。満席の喫茶店がこんなに心地のいい場所に感じるとは驚きだった。この店のチーズケーキはうわさにたがわずとてもおいしかった。しかも値段は400円ちょっとで、コーヒーも同じくらいだ。コストパフォーマンスの良さは小さなサプライズだった。

聞けば、喫茶店を始めて40年あまり、コーヒーやケーキの値段を変えておらず、毎日作るケーキも数量限定で、売り切れ次第終了だという。私は感慨を覚えた。こんなに人気があるのだから、座席を調整してもっとたくさんのお客さんを入れることもできるし、コーヒーを値上げすることも、ケーキをたくさん作ることもできるはず。しかし、彼らはそれをしないのだ。

私は日本でこのような商売をする店にたくさん出会った。規模を拡大せず、価格も上げずに、何十年もただ黙々と一つの製品や食べ物を作り続けている。以前、定食屋を営む夫婦を取材したとき、彼らがはにかみながら「本当にお客さんがたくさん来たらどうしよう?」と話していたことを思い出した。

数日前、事業が非常にうまくいっている友人が、食事をしながらため息ばかりついていた。毎年50%ずつ利益を上げていくよう本部から求められているという。彼は「毎日、『利益利益』『規模拡大』で疲れちゃうよ」とこぼしていた。中国は経済が発展し、たくさんのチャンスがある。私は中国が積極的に発展しようと意気込む姿が好きだが、自らの情熱にこだわり、変化の激しい世界でどっしりと構える精神もまた、中国の商売の伝統ではなかろうか。

あの喫茶店は、私たち一家に幸せな思い出を残してくれた。生後6カ月の子どもでさえも、きらきらとした目で辺りを見回し、少しも騒ぐことはなかった。ほそぼそと商売を続けていくことで得られる安定と余裕を一番強く感じていたのは、子どもだったのかもしれない。(翻訳・編集/北田

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