仏週刊紙、最新号表紙にムハンマド風刺画は不適切―中国メディア

Record China    2015年1月13日(火) 17時18分

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13日、テロ事件のあった仏週刊紙が最新号表紙にムハンマド風刺画を掲載するが、中国メディアは不適切だと指摘している。写真は仏反テロ行進。

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2015年1月13日、一連のテロ事件を受けて、フランス・パリで11日、犠牲者を追悼し、テロに抗議する大規模なデモ行進が行われた。しかし欧州にとってこれは恐らく、危篤患者が痛み止め1錠を飲んだ程度に過ぎない。(環球時報社説)

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ある人は、「フランスを含む西側先進諸国は今、歴史的な『原罪』を償っているのだ」と指摘する。これらの国は、かつて黒人奴隷を導入し、あるいは植民地を大量に保有したため、現在の人口構造がもたらされた。例えば、フランスのムスリムは総人口の約10%を占めるが、フランスの主流社会に馴染めず、もともと国外にあった「文明の衝突」の一部が、国内の衝突に変化してしまった。移民問題を受けて、欧州では極端な右翼政党が誕生し、摩擦が悪化した。

仏風刺週刊紙シャルリー・エブドがテロリストによる襲撃を受けたことは同情に値する。しかし、難を逃れ生き残った同社スタッフは、予定通り14日(水)に事件後初となる特別号を発行することを宣言。しかもイスラム教の預言者ムハンマドを描いた風刺画を掲載し、発行部数も通常の6万部から大幅に増やし、100万部にするというニュースを聞けば、多くの人は考えを改めるだろう。

「私はシャルリー」は、テロ事件発生後の人々の犠牲者への共感を示すスローガンだが、多くの人はテロに抗議したいだけで、この風刺週刊紙を「報道の自由の模範」と本当に思っているわけではないだろう。同週刊紙はムスリムの人々に「ムハンマドを冒涜している」と思わせるような風刺画を幾度も掲載してきた。これでは、いくら報道の自由と言っても「主流派」にはなれない。

事件が収束した後も、シャルリー・エブドが依然としてイスラム教を刺激するような行為を続けるならば、フランス政府にとっても困ったことになるだろう。もしそうならば、同週刊紙は長期的に欧州の代表的な「文明の衝突点」になってしまう。

世界の価値観の相違は深刻だ。ある人は、西側諸国の「普遍的価値観」は、とっくの昔から世界を支配していると言うが、それはでたらめだ。価値観の違いがもたらす衝突が、これまでのどの時代よりも複雑で深刻、というのが今の実情なのだ。

冷戦時代の価値観の対立も深刻だったが、東と西の2つの価値観の陣営は非常にはっきりしており、しかも互いに交わることがほとんどなかった。しかし今、国ごとに違う価値観と、冷戦時の西側陣営は依然として残っている上に、多くの国の内部でも異なる価値観が互いに交錯し合っている。グローバル化は国と国の間だけでなく、多くの国の内部にまで影響を及ぼし、全く新しい問題をもたらす。

西側諸国は世界に対しイデオロギー攻勢をかけているが、イスラム教のそれに対する反発と、マイノリティ人口の拡大は西側社会の不安を引き起こしている。これらの内憂に対し、西側諸国は今のところ効果的な解決方法を持たない。

異なる人種・文化が互いに交じり合うことは不可避であり、西側諸国は「歴史的原罪」があるため、この一面が特に突出している。西側は、現実に適応し、多元的な文化を受け入れるよう提唱する一方で、キリスト教文明の主導的地位を強調し、キリスト教文明を人類の近代化に全面的に影響させようとしている。これは西側社会の内部および、西側諸国とそれ以外の地域が抱える深刻な矛盾だ。

グローバル化の時代において、最も強調すべき価値観は寛容と妥協の精神だ。しかし、これらの精神は西側の強国によって明らかに軽視されている。彼らは自らの主流の価値観を世界に広めようとし、その態度は強硬だ。こうした状況の中、これらの国で調和の取れた社会が実現するとは考えにくい。

現在の大国の中で、「衝突しない、対抗しない」と主張し、「調和の取れた世界」を強調しているのは、どうやら中国だけのようだ。これらはグローバル化の世界において最も不足している政治的思考と哲学だが、残念なことに西側世界の対応はまだ力不足だ。実際、西側はこれまでずっと、中国国内の価値観の相違を広げようと外部から積極的に取り組んできた。

パリの大規模デモが支持を得るのは最もだが、現実的に見ればその効果には限りがある。この世界は文明的な相違に満ちており、テロリズムの刺激により、これらの相違がますます顕著になり、敏感な問題になっている。デモはこの肝心な問題を解決する効果的な対策ではない。

デモに米国から政府高官が出席しなかったことに批判が起きている。西側が今、反省する余裕がなく、少なくとも表面的にはそうすることを拒んでいることも、理解できる。しかし、1カ月後、3カ月後はどうだろう?「私はシャルリー」と書かれたTシャツは良く売れるかもしれないが、この風刺週刊紙に対する人々の態度が今後、複雑なものに変わることを望む。(提供/人民網日本語版・翻訳/SN・編集/武藤)

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