<東京市場大荒れ>アベノミクスに逆風、世界情勢激変で株式から日本国債に投資マネーが大移動=株安・円高・債券安が進む

八牧浩行    2015年1月16日(金) 16時20分

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16日、東京市場は、株、為替、債券各市場ともに大荒れの展開となった。東京証券取引所の日経平均株価は前日の終値より一時、500円超値下がりし、取引時間中としては約2カ月半ぶりの安値となった。写真は東京証券取引所。

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2015年1月16日、東京市場は、株、為替、債券各市場ともに大荒れの展開となった。東京証券取引所の日経平均株価は前日の終値より一時、500円超値下がりし、取引時間中としては約2カ月半ぶりの安値となった。

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一方、比較的安全とされる国債が買われて長期金利の指標となる満期10年の国債の流通利回りは一時年0.225%まで下がり、過去最低を記録。外国為替市場では、中東、ギリシャなど世界情勢の激動を背景に「比較的安全な通貨」とされる円を買う動きが広がり、円高・ドル安が進行した。

安倍政権の経済政策であるアベノミクスは株高・円安をテコにデフレ脱却を目指しているが、最近の市場の動きは“逆風”と言える。

 

東京株式市場は、輸出関連企業を中心にほぼ全面安の展開となった。日経平均株価は1万6864円と前日終値比244円安で大引けた。株価は今年に入って大きく下げ、昨年末の1万7450円から600円前後も下げたことになる。米国が金融危機以降続けてきた量的緩和を終え、世界の投資マネーの流れが変化し始めている。

欧州や日本をはじめとする世界経済の減速懸念が高まったことで、リスクを避けようと株式を手放す投資家が多く、代わって日本国債が買われた。世界的に超低金利が広がるなか、金利がほとんどつかなくても、損失リスクが少ない国債を買う投資家が目立っている。

これにつれて円相場は急伸。年明けの1ドル=120円台から原油安を材料に円が買われ、116円台まで円高が進行した。(八牧浩行

■筆者プロフィール:八牧浩行

1971年時事通信社入社。 編集局経済部記者、ロンドン特派員、経済部長、常務取締役編集局長等を歴任。この間、財界、大蔵省、日銀キャップを務めたほか、欧州、米国、アフリカ、中東、アジア諸国を取材。英国・サッチャー首相、中国・李鵬首相をはじめ多くの首脳と会見。東京都日中友好協会特任顧問。時事総合研究所客員研究員。著・共著に「中国危機ー巨大化するチャイナリスクに備えよ」「寡占支配」「外国為替ハンドブック」など。趣味はマラソン(フルマラソン12回完走=東京マラソン4回)、ヴァイオリン演奏。

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