フランスで中国人テーマの風刺画、中国紙が批判「すべての人がフランス人のユーモアを理解するわけではない」

Record China    2015年1月17日(土) 14時40分

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17日、環球時報はフランスの風刺誌フリュイド・グラシアルが掲載したパリにあふれる中国人をテーマにした風刺漫画「黄禍はすでに到達、遮断は遅すぎたか?」について論評した。写真はフランスで行われた反テロ行進。

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2015年1月17日、環球時報は15日発売のフランスの風刺誌フリュイド・グラシアルが掲載したパリにあふれる中国人をテーマにした風刺漫画「黄禍はすでに到達、遮断は遅すぎたか?」について論評した。

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その風刺漫画の中では、ベレー帽をかぶり、洋服を着た典型的なフランス紳士が人力車を引いている。人力車に乗っている黄色人種の男性は、宝飾品を身に着けた金髪女性の肩を抱き寄せている。

この成金風中国人を含めて、漫画には3人の黄色人種が描かれている。そのうちの1人は、カメラを手に記念写真を撮っている。中国からフランスへ大挙押し寄せている観光客を表現しているとみられる。もう1人は中華レストランの経営者だ。人物は直接描かれていないが、レストランの入り口には「中国語でサービス」の張り紙があり、軒先には中国の国旗がはためき、大きく「茶」と書かれた提灯が飾られている。こうした様子から、漫画全体が表現しているのは、パリを“占拠”する中国人だろう。

一方、フランス人は、人力車の車夫のほか、成金風中国人に肩を抱かれている水商売風の金髪女性と、レストランの前に座って中国語で「腹減った」と書いたボードを持ったホームレス風の男性が描かれている。この男性が恵んでもらおうとしている対象は、パリを訪れる裕福な中国人であることが読み取れる。さらに、通りすがりの高齢女性が左端に描かれているが、見たくないものを見てしまったような表情がこの漫画の味わいを深めている。

この風刺漫画について、復旦大学欧州問題研究センターの胡栄花(フー・ロンホア)副主任は「近年、欧州では左手にルイ・ヴィトン、右手にシャネルを持ち、所構わず痰を吐く、素養の低い成金中国人が多いが、彼らが中国のイメージを代表しているわけではない」とした上で、「黄禍(訳者注:19世紀中頃から20世紀初めにかけて欧州など白人国家で起きた黄色人種脅威論)という言葉を使って中国人をおとしめるのは非常に失礼な行為」と批判した。

フランスには現在、少なくとも500万〜600万人の中国系住民がいる。フランスでは経済が低迷し、失業率も高く、多くの人が移民に職や地位を奪われたと思っている。この漫画は両国人の地位の変化を自嘲的に描いており、フランス人のある種の危機感も感じられる。胡副主任は「中国人はこの漫画を冷静に見て、フランス人の喪失感を理解すると信じている」と話した。また、「最近起きている風刺画をめぐるテロ事件を通じて、すべての人が自分たちのユーモアを理解するわけではないことがフランス人にも分かっただろう」と指摘した。(翻訳・編集/HA)

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