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23日、英国を代表するファッションブランド「バーバリー」が中国人が好む「福」の文字が入ったマフラーを発売しているが、中国のネット上で論議を呼んでいる。
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2015年1月23日、英国を代表するファッションブランド「バーバリー」が中国人が好む「福」の文字が入ったマフラーを発売しているが、中国のネット上で論議を呼んでいる。
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ネットユーザーらは中国版ツイッター・微博(ウェイボー)にそのマフラーの画像をアップし、「35元(約665円) ほどで大量に売られているマフラーと変わらない」「卸売市場の山に入っていたら、コピー商品だと思うだろう」などの声を上げ、5日間で約1万5000回転載され、4000以上のコメントが寄せられた。
バーバリーの中国語版公式サイトを見ると、おなじみのチェック柄のマフラーに「福」の文字が赤で入っており、値段は5750元(約11万円)となっていた。アイボリー、ベージュ、グレーの3色。「未年を祝う商品」と紹介され、「福を呼ぶ」という思いが込められている。
中国の要素が組み込まれたマフラーだったものの、中国のネットユーザーはあまり気に入らなかったようで、「同僚のお母さんもいらないって」との声も寄せられた。また、「倒福(中国では一般に福の文字を上下逆さまに貼る)になっていない。中華文化の真髄が分かっていない」との声のほか、「中国人が『Lucky』と書かれたTシャツを着るのと同じ」との声も上がっている。
近年、多くの高級ブランドメーカーが中国の消費者の好みに合わせた大型キャンペーンを中国で開催したり、中国語を使って販売したり、中国の特色を組み込んだ商品の販売をしたりして、中国の消費者の抱え込みを図って来た。フランスの高級ファッションブランド「エルメス」も例外ではなく、上海の不動産王・周正毅(ジョウ・ジョンイー)の内縁の妻・毛玉萍(マオ・ユーピン)が以前、中国の国旗をモチーフにしたバーキンのバッグを特注で製造して話題になった。
このような現状に、高級品業界のアナリスト唐小唐(タン・シャオタン)氏は、「中国人が世界の高級品の3分の1を購入している。その割合が50%に達しているジャンルもある。中国人の好みに合わせた商品開発は消費者グループに合わせた戦略で、どんな企業でもそうする。合理的なビジネス方法」との見方を示している。しかし、一方で「中国の消費者は『中国』を過小評価しており、『Made in China』の商品を好まない。実際には世界で販売されている多くの商品が中国製。ファッションの分野で、中国の消費者は西洋のものを好む。中国らしいデザインの商品より、西洋のポップなデザインの商品の方が人気になる」と、「福」の文字が入ったバーバリーのマフラーが不評なのも不思議でないとの見方を示した。
「福」の文字入りのマフラーが中国のネットユーザーの間で不評を買っていることに関して、バーバリーは何のコメントも出していない。しかし、同社がノーコメントを貫くのはこれが初めてではない。
2014年4月23日、バーバリーは中国の大手B2Cサイト「天猫」にオンラインストアを立ち上げた。バーバリーが「静かに」出店させたかったのは裏腹に、これを機にさらに多くの高級ブランドが出店させることを願った「天猫」は大々的に宣伝した。同ニュースは世界中のメディアの注目を集め、バーバリーが大々的に宣伝したかったアジア最大の旗艦店「バーバリー・ケリーセンター」(同月24日オープン)が影をひそめてしまい、バーバリーの思惑が外れてしまった。それでも、「天猫」出店について、バーバリーは口をつぐみ、ノーコメントを貫いた。
バーバリーは「天猫」出店の際も中国のネットユーザーから批判を受けた。なぜなら、「天猫」や「淘宝網」などのネットショップは中国で「コピー商品」を連想させる存在になっているからで、販売されているほとんどの商品が非常に安価。歴史ある高級ブランドのバーバリーとはイメージや価格の面で相いれないためだ。
唐氏は「高級品市場が低迷していることを背景に、中国の消費者に合わせた高級品がこれからも登場するだろう。『福』の文字が入ったマフラーや中国の国旗をモチーフにしたバーキンのバッグなどは最たる例で、文化や歴史ではなく、利益重視という高級品業界の本質を反映しているともいえるだろう。最も現金な業界で、文化やアートでその本質を覆った商品が受けるか否かは、消費者や宣伝の効果にかかっている」との見方を示している。
「ダンヒル」などの高級腕時計、ジュエリーブランドを多数抱えるリシュモングループやバーバリーなどが最近発表した2014年10−12月期(第3四半期)の売上高は、アジアで苦戦を強いられていることを示していた。うち、バーバリーは香港のデモなどの影響を受け、増加率が一桁台にとどまり、二桁台だった上半期に比べて成長が明らかに鈍化していた。(提供/人民網日本語版・翻訳/KN・編集/武藤)
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