中国製造業の未来「日本にウォシュレットを買いに行かなくて済むかにかかっている」―中国メディア

Record China    2015年2月2日(月) 21時19分

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31日、中国メディア・一財網はこのほど、経済評論家の呉暁波氏のコラム「日本にウォシュレット(温水洗浄便座)を買いに行く」を掲載。呉氏は「日本に買いに行かなくて済むかに中国の製造業の未来がある」と強調している。 資料写真。

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2015年1月31日、中国メディア・一財網はこのほど、経済評論家の呉暁波(ウー・シャオボー)氏のコラム「日本にウォシュレット(温水洗浄便座)を買いに行く」を掲載した。この中で呉氏は「現在、中国製造業は苦難に直面している」と指摘。「日本に買いに行かなくて済むかに中国の製造業の未来がある」と強調している。

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呉氏によると、中国の製造業が成長してきた背景にある武器はただ一つ、低コスト。中国は土地、労働力、低税率などの強みがあり、しかも、環境保護に対しても何の責任も負わなくてよく、これが製造コスト上での大きな強みとなった。ところが各コストの上昇により、コストパフォーマンスの強みは希薄になって、多くの製造業者が転換モデルを模索している状況だ。

さらに、日本企業は新たな技術を応用した製品を開発すると同時に、中国企業に技術を輸出しなくなりつつある。そうした製品を中国向けに販売しなくなっており、巨大な市場を目当てに進出してくる外国企業から技術を獲得してメイド・イン・チャイナをつくるという、中国企業の「市場を技術に換える」というこれまでの戦略が使えなくなっている。

広東省に本部を置く家電メーカー「美的(メイディー)」の場合も同様。日本企業から炊飯ジャーのファジィ技術を導入して1983年から生産し、国内シェアをリードする存在となったが、ここ数年は日系メーカーとの関係に変化が生じているという。

呉氏が注目するのは、訪日した中国人観光客が帰国する空港の到着ロビーに荷物が山のように積み上げられた光景。中身は大人気の温水洗浄便座や炊飯ジャーのほか、ナノテクノロジーを使っているというドライヤー、セラミック製包丁、超音波技術利用の電動歯ブラシ、保温ボトルなど、さまざまだ。

呉氏は「免税店で買い物に明け暮れている若い層の人々は、おそらく中国の現在の中産階級」と言及。「理性のある消費志向で、やすやすと広告文句に躍らされない。もちろん安くて美しいものが好きだが、同時に性能をこよなく好むタイプで、新しい技術や新しい体験に進んでお金を出す。このような消費者が集中して出現したのは、まさに中国の製造業も転換期にきているということである」としている。

その上で「苦難に直面している製造業者は、外に助けを求め見知らぬ土地で運試しをするのではなく、熟知した本業で技術イノベーションを追及し、量より質で囲い込むよう、自ら突破口を開かなくてはならない」「中国の製造業の未来は、人の心を動かせる商品か、中産階級の家庭が海を越えて日本に温水洗浄便座を買いに行かなくて済むか、というところにある」と力説している。(編集/KU)

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