中国の環境汚染問題、日本の高度経済成長期の経験を教訓に―中国メディア

Record China    2015年3月8日(日) 14時3分

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5日、中国中央テレビの元記者が自費製作した環境保護がテーマのドキュメンタリー「穹頂之下」が話題になっている。写真は北京の煙突。

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2015年3月5日、中国中央テレビ(CCTV)の元記者、柴静(チャイ・ジン)さんが自費製作した環境保護がテーマのドキュメンタリー「穹頂之下」が話題になっている。多くの国の高度経済成長期において、多かれ少なかれ公害問題が発生してきた。隣国日本でも、1950年から1970年にかけての高度経済成長期には公害が発生し、多くの市民に被害をもたらした。人民網が伝えた。

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当時の日本は、欧米諸国に追いつき追い越すために重工業および化学工業を発展させ、世界の経済大国の仲間入りを果たすことに全国民が熱狂していた。しかし、日本人は自国が急速に東洋の経済大国へと成長するのに酔いしれる一方で、経済活動によってもたらされる環境への負荷と公害に気づく人はほとんどいなかった。目先の利益ばかりを追求した結果、20世紀初頭に発生した世界の8大公害事件のうち、4件は日本で発生することになった。ここからも、当時の日本の公害問題の重大さがうかがえる。当時、日本全国で重度の環境汚染による公害問題が相次いで発生した。4大公害病(イタイイタイ病、水俣病、新潟水俣病、四日市ぜんそく)のうちの3つは重金属汚染による公害であった。

公害事件による日本社会および政治への影響は今に至るまで続いている。公害対策基本法の制定後、重金属汚染問題は管理統制されるようになったが、発生した汚染の影響は今もこの島国から完全には消えていない。

厚生労働省による調査では、1911年に神通川流域で最初のイタイイタイ病患者の症例が発生したと推定されている。しかし1950年代までこの恐ろしく得体の知れない疾病が認知されることはなかった。イタイイタイ病の最初の患者の発生から約100年が経った今、中国の南都都市報記者は日本へ渡り、公害病被害者および、土壌学者、弁護団、市民団体の代表、および政府高官等各関係者への取材を敢行した。中国への重金属汚染問題の未来への啓発になることを願う。

現在の日本においても、重金属汚染が直接的な原因で発病した患者であると認定されることは依然として困難である。現在98歳になる女性は、96歳当時カドミウム汚染による疾病患者と診断された被害者の一人だ。彼女が患った病気は非常にめずらしく、歩行ができない、また体への軽度の接触が骨のきしむような痛みを伴うため親族の支えを受けられない状態となっている。

公害問題への取り組みは1970年代から始まったにも関わらず、神通川の河流から土壌、住民に60年間流され続けていた鉱毒の影響は、日本で起きた大震災からの復興以上に複雑で解決困難であり、今も日本社会に影を落としている。

環境問題及び公害への取り組みがはじまって40年以上経つ今でも、被害者は不安を抱えつつ生活しており、日本社会が大きな経済的負担を払ったにも関わらず、土壌汚染の影は完全に消すことはできていない。(提供/人民網日本語版・翻訳/YW・編集/武藤)

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