Record China 2015年3月10日(火) 10時40分
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8日、中国財政部はこのほど、今年の中央・地方予算草案報告を提出した。中国の国防予算は今年、昨年比10.1%増の8868億9800万元(約17兆1000億円)に達する。写真は中国の軍人。
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2015年3月8日、環球時報によると、中国財政部は5日、今年の中央・地方予算草案報告を提出した。これによると、中国の国防予算は今年、昨年比10.1%増の8868億9800万元(約17兆1000億円)に達する。国防予算拡大は5年連続だが、増加率はここ5年で最低となった。この軍費予算とりわけ増加分の使い道には大きな注目が集まっている。この問題をめぐって、複数の軍の専門家を取材した。
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▽軍内の待遇が引き続き向上
国防費用について最も権威的な紹介を行っているのは、2年に1度発行される「国防白書」である。これによると中国の国防予算は主に、「人員生活費」「訓練・維持費」「装備費」の3つに分かれる。このうち「人員生活費」は士官や文官、兵士、職員らの賃金・保険・食事・衣類・福祉など、「訓練・維持費」は部隊の訓練や教育、施設の建設や維持、日常消費など、「装備費」は武器装備の研究・試験・調達・メンテナンス・輸送・保管などの費用を指す。
中国国家安全フォーラムの彭光謙(ポン・グアンチエン)副秘書長によると、国防予算の拡大はこの3つをバランスよく行うべきだが、重点となるのはやはり装備費だ。装備費を重点とするのはどの国も同じである。
▽演習の難度の高まりでコストも上昇
解放軍の実戦的な訓練の実施という背景の下に、訓練・維持のための支出が増加傾向に入っている。中国軍は2013年には40回の大型演習を行ったが、2014年には全軍と武装警察部隊で合計200回余りの師団・旅団規模以上の実兵演習を行った。外国との二国間・多国間の軍事演習の回数も増加している。二国間・多国間の共同演習訓練は2013年の17回から2014年には31回に増えた。「解放軍報」によると、今年は、軍区を超えた基地化訓練の規模や範囲がさらに拡大され、レベルの向上もはかられる。演習の回数や規模の拡大には堅固な経済的土台が必要で、国防費用の支出もこれに応じて増えている。
▽装備費用の増加は各国共通
国防予算の3つの部分のうち、最も関心を集めているのは装備費用である。彭光謙氏は、装備費用の増加は各国共通の現象であり、今後も同じ傾向が続くと指摘する。周辺諸国のうち日本は、ステルス戦闘機「F-35ライトニング2」42機の購入を計画している。フィリピンは、海軍フリゲートなどの武器装備の発展に18億ドル(2200億円)の予算を計上している。インドネシアは、韓国製の潜水艦と米国製の攻撃ヘリコプター「アパッチ」を購入して島しょ付近に配備することを計画している。
装備の近代化が進めばコストは高まる。航空機や艦艇、戦車を配備するには、数千万元から数億元かかる。新式の艦艇や戦闘機の配備を進めている中国はそのための経費を必要としている。
▽国際的責任を担うのにも軍事費が必要
中国の国防予算の増加を国際社会がより客観的・理性的に見られるようになったのは、中国軍が近年、国際的な責任をより多く担うようになったためである。国防費はそのためにも不可欠となる。
中国軍は2008年から、国連の規定に基づき、アデン湾海域での船舶護衛を日常的に行っている。この任務にあたった軍関係者も、船舶の護衛には軍事費の保障が必要だと指摘している。燃油は1トン平均7000元(約13万5000円)。3、4カ月の護衛任務には最低でも1000トンの燃油が必要で、燃油費だけで700万元(約1億3000万円)から800万元(約1億5000万円)に達する。護衛艦隊での長期的なパトロールには、軍艦1隻だけでも年間平均3000万元(約5億8000万円)の燃油費が必要となる。その他の物資や人員にもさらに費用がかかる。軍事費の引き上げは、中国が国際的な責任をより多く担うようになったことに呼応するものだ。大国の責任を果たし、国際的な義務を負うには、近代的な軍備と先端技術が不可欠となる。(提供/人民網日本語版・翻訳/MA・編集/武藤)
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