Record China 2015年3月14日(土) 7時34分
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10日、中国とタイの両国政府は昨年12月に高速鉄道共同建設計画をめぐり枠組み協議を締結、今年9月からタイで総延長距離734kmの高速鉄道を建設する工事を開始する予定だった。写真は中国の高速鉄道。
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2015年3月10日、中国とタイの両国政府は昨年12月に高速鉄道共同建設計画をめぐり枠組み協議を締結、今年9月からタイで総延長距離734kmの高速鉄道を建設する工事を開始する予定だった。しかし、それからわずか3カ月後に、東南アジア諸国で日本と中国による高速鉄道の受注競争が繰り広げられ、タイ政府が日本の低金利融資を求める可能性も出てきた。タイ政府の態度の変化は、中国高速鉄道の輸出は一筋縄では行かず、リスクや障害に遭うことが避けられないことを再認識させた。国際金融報が伝えた。
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この2年間、中国がこれまで積み上げてきた大量の技術をもとに、各国の高速鉄道技術の長所を融合させて作り上げた中国高速鉄道技術や設備は世界でもトップレベルに達し、国際舞台での影響力も日増しに強くなっている。そんな中、中国高速鉄道は積極的に世界市場の開拓を始め、李克強(リー・カーチアン)首相も自ら「トップセールス」を手掛けている。また、中国南車集団と中国北車集団の合併により、中国の高速鉄道や軌道交通装備業は、「メード・イン・チャイナ」から「クリエイテッド・イン・チャイナ」への転換が加速されたほか、中国高級装備産業のアップグレードが強力に推進されるなど、勢いが加速された。
ただ、中国高速鉄道の海外進出は、自主知的財産権を除くと、主に低価格に依存していることは否定できない。しかし、この一点だけでは、中国高速鉄道のブランドを打ち立て、世界の高速鉄道建設ブームを牽引するには不十分だ。中国高速鉄道はより高いレベルから世界市場の開拓を進め、質の高さで勝利を収めることこそ王道だ。
これは、中国高速鉄道の質が悪いという意味ではなく、国際的に認められる規格が欠如していることを示している。現在、中国高速鉄道の総延長距離は世界で1位を誇る。だが、日本やドイツなどの高速鉄道の伝統強国が確立した規格システムの中で、中国の発言権は少ない。そのため、中国高速鉄道輸出の鍵は、世界基準の攻略ポイントを把握し、他国の基準に合致させるという課題を解決することだ。
また、海外に進出すると同時に、いかに現地と融合・共存するかという問題も解決しなければならない。これまで中国企業はさまざまな要因から初期投資に偏る傾向があったが、海外企業はより長期的なスパンで投資を考え、投資・収入モデルで国際市場を開拓することに長けている。たとえば、高速鉄道が開通した後、乗車料金で融資分を返済するなどだ。こういった金融モデルは中国高速鉄道が真剣に学び、考えなければならないものだ。
これ以外にも、触手を世界に向けて伸ばし、既存の政治・経済の枠組みを打破しようとすると、必ず既存勢力の反発を受ける。このため、どうしても簡単には行かない。高速鉄道に対するタイの態度が変わった要因に挙げられる日本の低金利融資は、実は複数の要因の中の一つの要素に過ぎず、それ以外にも政治や経済などの要素も関係している。中国高速鉄道が世界各地で遭遇している障害が、このことを明確に証明している。現在、日中間の高速鉄道の受注争奪戦は続いており、その結果はまだ出ていない。
英フィナンシャル・タイムズ紙のウェブサイトでは、東京大学の瀬田史彦准教授が、「50年前と比較すると、日本は中国や韓国の経済発展がもたらした熾烈な競争に直面している」と語っている。中国高速鉄道の台頭により、かつて新幹線の名前を轟かせ、早くから高速鉄道技術を発展させてきた日本の勢いは明らかに弱まっている。しかし、日本は今も技術革新を絶えず行っており、現在「はやぶさ」の最高速度は320kmに達している。タイの高速鉄道受注に失敗し、現在のような価格戦を仕掛けてきた日本は、いったいどのぐらいこの局面を挽回する自信があるのだろうか?
1%の低金利融資は表面的には非常に魅力的に見える。中国政府が提供する鉄道インフラ整備の金利2%、鉄道システム運営管理の金利4%の融資よりもずっと低い。しかし、その後にかかるランニングコストは天井知らずの高さとなる。日本人は商品価格を低く抑え、その後のランニングコストを高く設定する販売方法に慣れている。これは、我々が日常的に使用しているプリンターなどでも見られる方法だ。中国で主に使用されているプリンターは日本製で、本体価格は非常に安い。時にはメーカーが無料で本体を提供しているぐらいだ。しかし、インクやトナーカートリッジなど消耗品の購入が非常に高くつく。後に続く消耗品で大きな利益を得る方法は、西側諸国の販売の一般的な方法だが、特に日本で多く見られる。
この点を、タイ政府が知らないはずはない。しかし、タイが最終的に中国の高速鉄道と日本の新幹線のどちらを選ぶかは、非常に複雑な事情が絡み合っているため、価格が安い、技術が良いという単純な要素だけでは決まらないだろう。政治や、時にはビジネス上のリベートなども検討しなければならない。どちらにしても、この件は先が読めない。最終的な結果は一つ、あるいはいくつかだけの要素で決定されるのではなく、多くの要素によって総合的に決定される。
風雨に晒されることなく、虹を見ることはできない。どのような結果になろうと、これは、中国高速鉄道が世界市場開拓に向けて必ず通らなければならない道だ。そして、中国高速鉄道は、世界の真の強者にならなければならない。技術革新、市場競争など総合的な分野で改革を進め、唯一無二の、他に代えが効かない存在となり、日本やフランス、ドイツなどのライバル国を撃ち破らなければならない。当然、これを実現するためには、政府の適切な支援も欠かすことはできないだろう。(提供/人民網日本語版・翻訳/MZ・編集/武藤)
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2015/3/9
2015/3/4
八牧浩行
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