中国人の海外消費、年間19兆円超=集中型消費はなぜ起こるか―中国メディア

Record China    2015年3月16日(月) 4時40分

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13日、中国商務部の高虎城部長はこのほど、中国の昨年の本土外での消費が大まかな統計で1兆元(約19兆円)を突破したことを明らかにした。資料写真。

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2015年3月13日、新華社によると、中国商務部の高虎城(ガオ・フーチョン)部長は両会(全国人民代表大会と全国政治協商会議)の記者会見で7日、中国の昨年の本土外での消費が大まかな統計で1兆元(約19兆円)を突破したことを明らかにした。驚くべき数字のように見えるが、海外旅行者数が昨年、年間延べ1億人に達したことを考えれば、1人当たりの消費は1万元(約19万円)で、それほど常軌を逸した数字とも言えない。

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「ここ2年、中国人の国内外の消費には興味深い動きがある。国内では消費の個別化と多元化が進んでいる一方、国外での消費は単一化と集中化を続けている」。1億人の海外旅行者が同じ商品を買っているとすれば、こちらはちょっと常軌を逸している。

集中型の消費は、昨年の中央経済政策会議でも話題となった。集中型消費が起こる時には、消費者の他者を模倣しようとする志向が強く、各自の独創的なアイデアは目立たず、限られた商品が一定期間に過剰な人気を集める。

21世紀の初めにはスポーツウェアが大流行し、中国のどこに行っても国産ブランド「李寧」(Lining)の姿が目立った。集中型消費は、消費能力が低い時に生じやすいとされる。住民の収入が高まり、収入区分がはっきりし、商品の供給とサービスが豊かになると、消費の多様化・個別化が進む。国内市場ではこの消費の集中の段階はすでに過ぎたとされる。

だが高虎城部長の指摘した通り、国内外の事情は対照的である。フランスに行けば香水、スイスでは時計、ニュージーランドでは羊オイル、日本では家電と温水洗浄便座。1人1万元の高い消費能力を持つ海外旅行者がなぜ、消費能力が低い時の特徴である集中型消費に走るのだろうか。

第1に、集中型消費の原因は、収入の高低にかかわらず、消費者の構造の類似性にある。世界観光都市連盟の発表した「中国国民出境(都市)旅行消費市場調査研究報告」によると、中国人海外旅行者の1人当たりの月収の平均は1万1512元(約22万3000円)で、そのうち1980年代生まれが半数を占める。若者はもう「中国大[女馬](中国のおばさん)」を笑ってはいられない。これらの若者の多くは、勤務年数が限られているために休暇期間には限りがあり、消費能力は一定程度高く、収入水準も似通っている。

このことからわかるのは、過去に国内で消費水準が低かった時に出現した集中型消費の原因は収入が低いことにあるだけではなく、「みんなの収入が低かった」ことにあったということである。また現在の海外消費での集中型消費の原因も収入が高いことにあるのではなく、「みんなの収入が同じくらい高い」ことにある。

第2に、中国の海外旅行ブームはまだ初期段階にあり、海外に行って何をするか、何を買うかを考える時、どうしても他人に習うケースが多くなる。変わった旅行や消費はまだ目立たない。

1兆元の購買力が海外に向けられていることには、政府も企業、メディアも目を向けなければならない。高虎城部長は、同一商品の国内外での価格差の原因について、関税と流通、海外での定価制の3つを指摘している。高部長はこの3分野での取り組みも言明しており、将来は改善が期待される。(提供/人民網日本語版・翻訳/MA・編集/武藤)

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