日本のベアは物価に追いつかない、内需拡大も困難で身動きできない状況も―中国メディア

Record China    2015年3月23日(月) 2時43分

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20日、日本で今月18日は、年に1度行われる「春闘」(春季労使交渉)の主要企業の集中回答日だった。自動車や家電などの輸出産業は業績の改善を受けて、春闘の歴史始まって以来最大のベースアップ(ベア)に相次いで同意した。資料写真。

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2015年3月20日、日本で今月18日は年に1度行われる「春闘」(春季労使交渉)の主要企業の集中回答日だった。自動車や家電などの輸出産業は業績の改善を受けて、春闘の歴史始まって以来最大のベースアップ(ベア)に相次いで同意した。

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春闘は毎年4月の新年度スタートを前に、各種産業の労働組合と企業との間で労働条件をめぐって行われる交渉で、翌年度の産業全体の基本給および奨励金の調整幅を確定する役割もある。

自動車や電気機械などの輸出産業の主要企業は、円安の影響もあって2014年度は過去最高の営業収入を達成した。また日本銀行の15年度の消費者物価指数は2.9%前後になるとの予測を踏まえ、労働組合側は2%のベアを要求した。交渉の過程で、自動車産業の最大手・トヨタが基本給を月4000円引き上げることに同意。日産自動車も月5000円の引き上げに同意して、製造業大手の中で最大の上げ幅となった。日立やパナソニックをはじめとする6大消費電子大手は、月3000円の引き上げを決定した。日本の主要企業は2年連続で賃上げを実施したことになる。これまで主要企業の基本給は数十年にわたりベアなしの状態が続いていた。

昨年4月に消費税率が3%引き上げられて8%になると、日本の世帯の実質的な購買力水準が低下し、個人消費は低迷し、一度は好転した日本経済の回復の流れが暗礁に乗り上げた。安倍晋三首相はたびたびコメントを発表して企業に圧力をかけ、賃金を引き上げて、国内消費を促すよう求めた。こうしてもともと市場での行為だった労使交渉が「官製春闘」などと揶揄されるようになった。

交渉の結果をみると、基本給の上げ幅は過去最高を記録したものの、最終的な賃上げ幅は労働組合の要求とは隔たりがある。たとえば、労組側はトヨタに月6000円のベアを要求したが4000円にとどまった。電機・電子企業の労働組合・電気連合は6000円のベアを要求したが3000円にとどまった。多くの企業が、これから状況が変わり経営が低迷することを懸念して、固定支出の大幅な増加には消極的であり、ここには企業が今後の経済情勢に対して十分な信頼感を抱けていない様子が反映されている。

賃金をめぐる交渉は産業間、企業間のアンバランスも浮き彫りにした。安倍政権の経済政策「アベノミクス」が実施されてから2年余り、恩恵を受けたのは輸出を手がかける大企業だけだった。国内需要型の中小企業は円安や輸入原材料価格の上昇に苦しみ、経営状況が悪化したため、賃上げに同意したところは2割にも満たなかった。小売企業は人手不足に悩み、賃上げによって人材を引き留めたいと思いつつ、消費の低迷や売上の減少で賃上げするだけの体力がなく、身動きできない状況に陥っている。

日本の厚生労働省が行った調査によると、消費増税や円安による輸入商品価格の上昇の影響を受けて、日本の実質賃金指数は2014年12月から18カ月連続で低下。14年の労働者の実質賃金は2.5%減少し、3年連続の減少となった。

目下、日本の雇用の7割を占める中小企業で労使交渉が行われており、賃上げ率が物価上昇率を上回るかどうかに注目が集まる。日本紙の分析によると、今年の「春闘」では基本給の上げ幅が過去最高を記録したものの、物価上昇幅には追いついていない。企業が2年連続の賃上げ後に賃上げコストを消化できるかどうかにも懸念が寄せられているという。(提供/人民網日本語版・翻訳/KS・編集/武藤)

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