Record China 2015年4月2日(木) 10時42分
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3月31日、中国のインターネット上に、中国科学院植物研究所の劉夙氏が桜の起源に関して記した文章が掲載された。写真は小石川後楽園の桜。
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2015年3月31日、中国のインターネット上に、中国科学院植物研究所の劉夙(リウ・スー)氏が桜の起源に関して記した文章が掲載された。以下はその概要。
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毎年、春になると、東アジアで桜の開花と共にメディアをにぎわすのが桜の起源の問題である。中国は今年、「両会(※全国人民代表大会と中国人民政治協商会議)」の期間中に、委員から桜の産業を発展させる提案がなされた。また、韓国が先日、ソメイヨシノの起源は韓国であると主張。この問題に中国桜花産業協会の代表が「桜の起源は日本でも韓国でもなく、中国である」という驚くべき発言をした。実は、桜の定義をはっきりさせれば、科学的にはそれほど論争になるはずがないのである。
「桜」は学術的にはバラ科モモ亜科スモモ属であり、多くの品種の総称である。しかし、一般に言われる「桜」は人工的に作り出され、広く栽培されている品種のことを指す。そのため、野生の桜と人工の桜は科学的にはまったくの別物である。人工的に栽培された桜は、品種が非常に多いため、いくつかの種類に分けられる。カワヅザクラに代表される早咲き種、ソメイヨシノに代表される中咲き種、カンザンザクラに代表される遅咲き種など、開花の時期によって分類する方法もあれば、桜の花の直径などによる分け方もある。
現在では、さまざまな品種があるが、その祖先である野生の桜の種類は多くない。すべての人工栽培の桜は、野生種をかけあわせて生まれたものだ。そのため、人工の桜の起源を論じるときは、その祖先に当たる野生の桜の種類を調べなければならない。
自信を持って言えることは、人工栽培の桜のほとんどが、オオシマザクラ、カスミザクラ、ヤマザクラ、エドヒガンザクラ、カンヒザクラの5つの野生種から生まれているということである。この5種のうち、カンヒザクラを除く4種は日本の野生に分布しているもので、オオシマザクラは伊豆や房総半島が原産の日本の固有種だ。
オオシマザクラは人工栽培の桜の「核」と言っていいもので、多くの種類がこのオオシマザクラの血統を有している。たとえば、カンヒザクラ、ヤマザクラ、エドヒガンザクラを、それぞれオオシマザクラとかけあわせて生まれたのが、カワヅザクラ、カンザンザクラ、ソメイヨシノである。つまり、現代の人工栽培された桜の品種は、明らかに日本の特色を有している。これらの種類は、その核となるオオシマザクラさえ分布していない中国では、誕生することはほぼあり得ないのである。(続く)(翻訳・編集/北田)
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