韓国、中国人観光客急増の裏でクオリティーが急降下―中国メディア

Record China    2015年4月20日(月) 1時44分

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17日、中韓関係が年々強化されているのを背景に、2014年、韓国がタイを抜き、中国人観光客に最も人気の海外旅行先となった。写真は済州島。

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2015年4月17日、中韓関係が年々強化されているのを背景に、2014年、韓国がタイを抜き、中国人観光客に最も人気の海外旅行先となった。在中国韓国文化院はこのほど、韓国を訪問した中国人の数と中国を訪問した韓国人の数が昨年、計1000万人を突破したことを祝うイベントを北京で開催した。うち、韓国を訪問した中国人の数は、過去最高の延べ613万人だった。新華網が伝えた。

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韓国では、最も早くて来年、韓国を訪問する中国人の数が1000万人に到達するのではとの見方もある。

しかし、中国からの訪問者が増加しているものの、韓国の観光業者は決して楽観的ではない。なぜなら、競争が一層熾烈になり、收益が減っており、旅行社がその損失を補うために、ツアーのショッピングの時間を増やしたり、他の旅行商品に損失分を上乗せしたりしているほか、観光スポットが少ないことや中〜低価格のホテルが少ないことが重なり、中国人観光客の韓国に対する評価が決して高くないからだ。韓国を訪問する中国人の数を年間1000万人にまで増加させるには、まだ多くの課題が残されている。

▼質の悪いショッピングツアーで「悪循環」

大韓商工会議所はこのほど、旅行社300社の中国人観光客受け入れ状況を調査し、13日にその結果を発表。調査対象となった旅行社の收益は減少していることが明らかになった。その主な原因は、業界内の競争の熾烈化や新しい企業の急増だった。

また、原価割れの価格で中国人観光客を誘致している旅行会社も43%に上り、「原価割れしたことはない」との回答はわずか13%にとどまった。

損失を補う方法として、54%の旅行社が「ショッピングの時間を増やす」、「オプションを増やす」と答え、27%が、「その他の旅行商品の値段に上乗せする」、6%が、「クオリティーを下げる」と答えた。

大韓商工会議所は、「中国人観光客の増加ペースより、業者間の競争激化ペースの方が速く、收益の減少につながっている。その損失を取り戻すための方法が、悪循環を生みだしている」と指摘している。韓国紙「朝鮮日報」の電子版は14日、「ほとんどの韓国の旅行社は、中国人観光客を取り込むために、不当廉売を行っている。そのため、韓国に来ているツアー客は、質の悪いショッピングツアーに参加させられている」と指摘した。

調査では、中国人の韓国旅行に対するイメージについて、旅行社の82%が、「悪化している」、もしくは「大きな変化はない」と答えた。政府機関・韓国文化観光政策研究院の調査によると、16の国や地域から来た観光客のうち、中国人観光客の韓国に対する満足度は14位。リピーターの比率も14位にとどまり、わずか25%だった。

▼観光インフラの整備が急務

大韓商工会議所の調査によると、韓国の旅行業界は、国内の観光インフラの整備が進んでいないことが中国人観光客のさらなる呼び込みを難しくしていると感じている。うち、最も改善を必要としているのは、「遊ぶことのできる観光スポット」で、そのほか「韓流体験や娯楽」、「宿泊施設」、「ガイドなどの人材」などを増やすことも課題として挙げられた。

一部の業界関係者も、中国人観光客の特徴に基づいて、観光インフラを整備する必要があると指摘している。

韓国紙「中央日報」電子版の14日の報道によると、現段階で、韓国の高級ホテルは、日本人観光客の急減に伴い、客室稼働率が50%程度にとどまっている。一方、中国人観光客が好む中級ホテルや低価格ホテルは不足している。韓国を訪問している中国観光客のうち、3分の2が30歳以下の個人旅行客で、その多くが、「韓流やショッピングは楽しめるが、手軽なホテルが不足していて不便」と意見を寄せている。

また、ある中国旅行社の責任者は、「現段階で、中国人観光客は主にソウルや、済州島釜山に集中している。『年間1000万人』の目標を達成するためには、それら以外の都市の観光を開発しなければならない。しかし、宿泊先や免税店などの観光インフラが整っていないのが課題」と指摘している。

▼新たな観光資源開発が必要

大韓商工会議所の調査によると、中国人観光客の誘致に関する、韓国の各級政府への希望として、韓国の旅行社は「観光資源の開発」や「地方旅行の活性化」などを挙げている。

同会議所の経済調査本部長は、「中国人観光客『年間1000万人』の目標を達成するためには、ショッピング頼みの現状や、ソウルや済州島に観光客が集中している現状を改善しなければならない。多様化された観光プロジェクトの発掘や各種インフラの整備を通して、中国人観光客の満足度を向上させなければならない」と指摘している。

「中央日報」の報道によると、中国の観光業界の関係者は、ソウルや済州島、釜山の3地域が受け入れられる観光客は、年間1000万人との見方を示している。その大台を突破するには、中国人観光客がその他の地域を旅行するような対策を講じなければならない。今月2日に、高速新線・湖南高速線の第1期区間(五松―益山―光州松汀)が開通し、光州広域市と全州の一部の都市が、中国人観光客が訪問する新たな場所となる可能性がある。韓国の旅行業界は、高速鉄道を利用した中国人観光客向けの商品を開発するのも一つの手かもしれない。

昨年、韓国を訪問した中国人は延べ613万人だったものの、韓国の旅行業界はいたって冷静で、中国人観光客増加の速度は鈍化する可能性があると見ている。調査では、旅行社の56%が、「中国人観光客の増加傾向は、続きそうにはない」と答えた。あるエコノミストは、「中国人観光客『年間1000万人』の目標達成は2018年以降」との見方を示している。(提供/人民網日本語版・翻訳/KN・編集/武藤)

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