日中両国がタイ鉄道事業をめぐり火花=高速鉄道は日本、複線鉄道は中国―中国紙

Record China    2015年6月11日(木) 11時42分

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8日、日本とタイが高速鉄道建設で協力覚書を締結するというニュースが先月末に報じられるやいなや、中国国内で熱い議論と憂慮の声が沸き起こった。写真はタイ・バンコクの駅。

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2015年6月8日、日本とタイが高速鉄道建設で協力覚書を締結するというニュースが先月末に報じられるやいなや、中国国内で熱い議論と憂慮の声が沸き起こった。さらには、中国−タイ間の鉄道計画がタイ側からキャンセルされたというデマまで流れた。タイ政府のSansern Kaewkamnerd副報道官は1日、「中国-タイ鉄道計画をめぐる協議は計画通り進んでいる。また、両国が共同で敷設する鉄道は高速鉄道ではない」とコメントした。北京晨報が伝えた。

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〇タイ−日本、タイ−中国鉄道事業の各進展状況

▼タイ−日本鉄道計画:3路線をカバー

5月27日、タイ王国政府のプラジン運輸大臣と日本の太田昭宏・国土交通相との間で、鉄道分野に関する協力覚書が取り交わされ、以下3本の鉄道線が敷設されることとなった。

1)北線=バンコク-チェンマイ高速鉄道

バンコク・ポスト紙はじめタイ国内の各メディアの報道によると、日本側はすでに、バンコク−チェンマイ高速鉄道のフィージビリティスタディーを提出、2016年の着工を計画している。同高速鉄道の設計時速は約250km、総距離は約660km。日本はタイに対して、金利1.5%以下の低金利で資金調達を行う見込み。総工費は2730億バーツ(約1兆円)と予想されている。

2)東南線=カンチャナブリー−バンコク-サケオ複線狭軌鉄道

同プロジェクトで日本が担当する区間は、総距離574km、タイ・ミャンマー、タイ・カンボジア国境を東西に貫通、主要港湾や工業地帯とつながる。現有の単線鉄道を複線化する計画で、新規敷設ではなく、もちろん高速鉄道ではない。

3)東北線=タイ東北部を東西に走る路線

タイ・日本の両国は、今のところ、フィジビリティスタディ段階にある。タークを始点に、ピサヌロークとコーンケンを経由し、ムクダーハーンに至る同ラインは、総距離約718km。

〇中国-タイ鉄道協力:「汎アジア鉄道網」の重要構成要素となる可能性

現在進行中の中国−タイ鉄道協力プロジェクトはいずれも、複線鉄道の敷設で、高速鉄道プロジェクトは皆無。バンコク−-ケーンコイ線、ケーンコイ−ナコンラチャシマ(コラート)線、ケーンコイ−マプタプット線、ナコンラチャシマ−ノンカイ線の4路線だ。これら4路線は、「人」の字のような形を作り、南北に長い国土のバンコク以北を横断する。

中国−タイ鉄道協力プロジェクトは時速約180kmで、国内の特快列車と動車組(新幹線型車両)との間の速さとなる。4路線の総距離は約870km。幾度かの協議を経て、プロジェクト全体の業務請負という形式を協力枠組みの原則として、両国はほぼ合意に達した。だが、さらに今後、貸付金利や建設コストなどの問題について詰める必要がある。

タイ政府のSansern Kaewkamnerd副報道官は1日、タイと中国が今月末、新たな協議の場を持つことを明らかにした。これより前、プラジン運輸大臣は、タイの英字紙ネイションの取材に対し、「バンコク−ケーンコイ線とケーンコイ−ナコンラチャシマ線は今年10月に、ケーンコイ−マプタプット線とナコンラチャシマ−ノンカイ線は今年12月に、それぞれ着工を予定している。中国−タイ鉄道プロジェクトは、2017年末の開通が見込まれる」と、今後の大まかなスケジュールについて話した。

〇結論:日中両国が各部分をそれぞれ分担

全体的に見て、中国と日本は、タイ鉄道事業において、それぞれが必要な部分の受注を確保し、担当するようだ。中国-タイ鉄道協力は、現段階では高速鉄道は含まれておらず、「中速度」の複線鉄道が中心であり、今後も交渉の詰めが続く。路線について言えば、中国−タイ鉄道協力は、南北方向が主流となっており、中国と東南アジア諸国とを結ぶ戦略と関連している。このうち、バンコク−ノンカイ線は、北に向かいラオス・ビエンチャンさらには昆明に繋がり、南方向を行くとマレーシア・シンガポールに通じ、汎アジア鉄道網計画の重要な構成要素となり得る。(提供/人民網日本語版・翻訳/KM・編集/武藤)

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