中国、米ドル本位制を脅かす対抗馬として躍り出た=今、米国と軍事衝突を起こす意思ない―行天豊雄・元財務官が明かす

八牧浩行    2015年7月6日(月) 8時31分

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国際金融情勢に詳しい行天豊雄・元大蔵省財務官(写真左)は日本記者クラブで講演。「戦後長らく米国のドル本位制が続いてきたが、その地位を脅かす対抗馬として初めて中国が躍り出た」と指摘しながらも、「中国は今米国と軍事衝突を起こそうとは考えていない」と言明した。

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2015年7月1日、国際金融情勢に詳しい行天豊雄・国際通貨研究所理事長(元大蔵省財務官)は日本記者クラブで「通貨と日本経済」をテーマに講演。「戦後長らく米国のドル本位制が続いてきたが、その地位を脅かす対抗馬として初めて中国が躍り出た」と指摘しながらも、「中国は今米国と軍事衝突を起こそうとは考えていない」とに認識を明らかにした。発言要旨は次の通り。

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戦後、世界経済は米国の経済・軍事力を背景にドル本位制が続いてきたが、その地位を脅かす対抗馬として初めて中国が躍り出た。しかし、中国は今米国と軍事衝突を起こそうとは考えていない。あらゆる面で力が及ばないことは分かっている。中国は自信をつけており、(米国のパワーがダウンし)熟柿が落ちるのをじっと待とうということだろう。10年後になるか20年後になるか、あるいはならないか、わからない。

中国が主導するアジアインフラ投資銀行(AIIB)は、これまで台頭する中国が責任のある当事者になれ、と先進国が要求してきたことへの回答と言える。国際的な指導者のひとりであることを証明するために打ち出し、多くの国が受け入れようということになった。(参加を見送っている)米国は検討中で、どう判断するかが注目点。参加することになれば、米国が持つ断トツのリーダーシップの一部を中国に譲ることを意味する。日本は米国追随なので、(世界各国から)注目されていない。(八牧浩行

■筆者プロフィール:八牧浩行

1971年時事通信社入社。 編集局経済部記者、ロンドン特派員、経済部長、常務取締役編集局長等を歴任。この間、財界、大蔵省、日銀キャップを務めたほか、欧州、米国、アフリカ、中東、アジア諸国を取材。英国・サッチャー首相、中国・李鵬首相をはじめ多くの首脳と会見。東京都日中友好協会特任顧問。時事総合研究所客員研究員。著・共著に「中国危機ー巨大化するチャイナリスクに備えよ」「寡占支配」「外国為替ハンドブック」など。趣味はマラソン(フルマラソン12回完走=東京マラソン4回)、ヴァイオリン演奏。

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