安倍政権の意に沿わないから「つぶせ」は危険な暴論=“戦争法案”で、沖縄が再び戦場になってしまう―沖縄2紙編集局長が会見

八牧浩行    2015年7月2日(木) 19時34分

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2日、琉球新報の潮平芳和編集局長(写真中央)と沖縄タイムスの武富和彦編集局長(写真左)は記者会見し、安倍晋三首相に近い自民党議員による勉強会で、作家の百田尚樹氏が「沖縄の2つの新聞はつぶさないといけない」と語ったことなどについて、厳しく批判した。

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2015年7月2日、琉球新報の潮平芳和編集局長と沖縄タイムスの武富和彦編集局長は、日本記者クラブで記者会見し、安倍晋三首相に近い自民党議員による勉強会「文化芸術懇話会」で、作家の百田尚樹氏が「沖縄の2つの新聞はつぶさないといけない」と語るなど、報道機関を威圧したりするような発言があったことについて、厳しく批判した。

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両局長とも「安倍政権の意に沿わない報道は許さないという“言論弾圧”の発想そのもの」と指摘。「批判的だからつぶすべきだという短絡的な発想は極めて危険であり、いずれ全国のマスコミに向けられる恐れのある危険極まりない暴論だ」と非難した。「今後も言論の自由、表現の自由を弾圧するかのような動きには断固として反対する」と口をそろえた。

潮平局長は安倍首相が公明党山口那津男代表に陳謝したことについて、「国民や沖縄県民にすぐに謝罪するべきだったのに残念だ」と批判。米軍普天間飛行場(沖縄県宜野湾市)と周辺住民にかかわる百田氏の言動は「全くの事実誤認であり、自民党内で振りまかれたことは重大だ」と指摘した。

武富局長は自民党議員や百田氏の一連の発言について「意に沿わないものはつぶすというもの。自分たちが正論だというおごりがあり、強い憤りを覚える。沖縄県民をばかにした発言であり、県民に向き合わない安倍政権の歪(ひずみ)が露呈した」と怒りをあらわにした。

安倍政権が推進している集団的自衛権行使を含む新安保法制について、「“戦争法案”であり、沖縄がまた戦場になってしまう」(武富局長)、「かつて米軍との地上戦を経験した人々は、軍隊が住民を守らなかったことを覚えている。他国を攻撃するようになったら、基地は攻撃の対象となる」(潮平局長)などと強調、大きな懸念を表明した。(八牧浩行

■筆者プロフィール:八牧浩行

1971年時事通信社入社。 編集局経済部記者、ロンドン特派員、経済部長、常務取締役編集局長等を歴任。この間、財界、大蔵省、日銀キャップを務めたほか、欧州、米国、アフリカ、中東、アジア諸国を取材。英国・サッチャー首相、中国・李鵬首相をはじめ多くの首脳と会見。東京都日中友好協会特任顧問。時事総合研究所客員研究員。著・共著に「中国危機ー巨大化するチャイナリスクに備えよ」「寡占支配」「外国為替ハンドブック」など。趣味はマラソン(フルマラソン12回完走=東京マラソン4回)、ヴァイオリン演奏。

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