<中国人民元ショック>基準値連続下げで4年ぶり元安水準=東証株価全面安、一時2万300円割れ寸前に―NY原油も急落5か月ぶり42ドル台

八牧浩行    2015年8月12日(水) 14時53分

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12日、東京株式市場で、日経平均株価が急落した。一時前日終値比420円近く下げ、2万300円割れ寸前の水準となった。2日連続での中国人民元の基準値引き下げで、日本企業の輸出競争力などが低下するとの懸念が急速に強まった。写真は東京証券取引所。

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2015年8月12日、東京株式市場で、日経平均株価が急落した。一時前日終値比420円近く下げ、2万300円割れ寸前の水準となった。2日連続での中国人民元の基準値引き下げで、日本企業の輸出競争力などが低下するとの懸念が急速に強まった。

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ダイキン、小松製作所など空調・建設機器やコーセー、資生堂など化粧品、ファーストリテイリング(ユニクロ)など流通といった中国経済への依存度が高い銘柄を中心に売られ、ほぼ全面安となった。

人民元基準値引き下げは景気テコ入れを狙ったものだが、実質的な通貨切り下げを余儀なくされるほど中国経済の実態が悪化しているとの見方も出ている。中国人など訪日観光客の需要が先行き減少するのではとの懸念も広がった。

中央銀行である中国人民銀行は12日、人民元売買の基準となる対ドルの為替レート基準値を、前日の基準値より1.6%引き下げ、1ドル=6.33元に設定した。上海外国為替市場での11日終値(6.32元)よりやや元安・ドル高。これを受けて、12日の上海外為市場で、人民元は1ドル=6.44元で推移、約4年ぶりの元安水準となった。

中国人民銀行は11日から基準値の算出方法を変更。市場の前日終値を新たに基準値の算出方法に加え、11日の基準値を10日の基準値と比べて1.9%切り下げていた。

米株式市場でも11日、ダウ工業株30種平均が大幅に下落し、前日比212ドル(1.2%)安の1万7402ドルで取引を終えた。中国の景気減速懸念や事実上の人民元切り下げを受け、中国での売上比率が大きい米企業の業績に対する不安が高まった。ニューヨーク原油先物相場が1バレル42ドル台半ばと5カ月ぶりの安値となった。このほか銅、アルミなど資源価格が軒並み下落、資源銘柄を中心に急落した。(八牧)

■筆者プロフィール:八牧浩行

1971年時事通信社入社。 編集局経済部記者、ロンドン特派員、経済部長、常務取締役編集局長等を歴任。この間、財界、大蔵省、日銀キャップを務めたほか、欧州、米国、アフリカ、中東、アジア諸国を取材。英国・サッチャー首相、中国・李鵬首相をはじめ多くの首脳と会見。東京都日中友好協会特任顧問。時事総合研究所客員研究員。著・共著に「中国危機ー巨大化するチャイナリスクに備えよ」「寡占支配」「外国為替ハンドブック」など。趣味はマラソン(フルマラソン12回完走=東京マラソン4回)、ヴァイオリン演奏。

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