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<中国は今!>進む外資の中国離れ―日中関係改善への期待高まる

Record China    2015年8月17日(月) 7時27分

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外国資本の中国離れが加速度的に進んでいる。中国商務省によると、昨年の日本から中国への直接投資実行額は前年比38.8%減の43億3000万ドル(約5050億円)だった。

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中国商務省によると、昨年の日本から中国への直接投資実行額は前年比38.8%減の43億3000万ドル(約5050億円)だった。前年実績を下回るのは約4%減だった13年に続き2年連続となる。日中経済協会によると、天安門事件の影響で投資が約35%落ち込んだ1989年を上回る異例の下落率だ。

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この動きは今年に入ってからも変わらない。中国商務省によると、今年1〜5月の日本から中国への直接投資実行額が前年同期比9.4%減の17億8000万ドルで、減少率は1〜4の7.8%からやや拡大し、対中投資が振るわない状況が続いている。

12年秋に日本政府が尖閣諸島(沖縄県石垣市)を国有化して以降、中国では反日デモによる日系工場襲撃や日本製品のボイコットの呼び掛けも起きた。新規進出や事業拡大を見合わせる日本企業が増えたことが背景にある。

日本だけでなく、米国からも20.6%、東南アジア諸国連合も23.8%、欧州連合も5.3%、それぞれ減少した。中国は都市部を中心に工場労働者の賃金や、店舗、事務所の賃料が高騰しており、生産拠点などを東南アジアなどに移す企業も多い。

「これだけ、はっきりと数字に表れてくると、中国指導部もこれまで強硬一辺倒だった対日関係の見直しを考えざるを得なくなっている。今年4月に習近平(シー・ジンピン)国家主席が安倍晋三首相と2回目の首脳会談を行ったり、9月の軍事パレードに招待して3回目の首相会談をちらつかせるなど、日中関係は今後、徐々に改善する方向にあるのは間違いない」。日中経済を担当する北京の外交筋は、このように指摘する。

予想以上の中国経済の悪化が日中関係改善の大きな材料になっている形だが、「経済的にも、政治的にもチャイナリスクは大きいだけに、習近平指導部の対応を注意深く見極める必要があり、予断は許さない」と同筋は分析している。

そういえば、先月訪れた北京でも日本人観光客の姿をほとんど見かけなかったが、日中関係が改善すれば、中国を訪れる観光客やビジネスマンも多くなるのに違いない。また、そうなって欲しいものだ。

◆筆者プロフィール:相馬勝

1956年、青森県生まれ。東京外国語大学中国学科卒業。産経新聞外信部記者、次長、香港支局長、米ジョージワシントン大学東アジア研究所でフルブライト研究員、米ハーバード大学でニーマン特別ジャーナリズム研究員を経て、2010年6月末で産経新聞社を退社し現在ジャーナリスト。著書は「中国共産党に消された人々」(小学館刊=小学館ノンフィクション大賞優秀賞受賞作品)、「中国軍300万人次の戦争」(講談社)、「ハーバード大学で日本はこう教えられている」(新潮社刊)、「習近平の『反日計画』―中国『機密文書』に記された危険な野望」(小学館刊)など多数。

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