中国の中央銀行「人民元が継続的に下落する根拠はない」―中国紙

Record China    2015年8月16日(日) 14時21分

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14日、中国人民銀行(中央銀行)は今月13日、人民元の対ドルレートの基準値を3日連続で大幅に切り下げ、基準値を1ドル=6.3306とした。写真は中国人民銀行。

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2015年8月14日、中国人民銀行(中央銀行)は今月13日、人民元の対ドルレートの基準値を3日連続で大幅に切り下げ、基準値を1ドル=6.3306とした。1136ポイント引き下げられた今月11日の基準値1ドル=6.2298と比べて1.6%の元安・ドル高だ。新京報が報じた。

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元安誘導路線が加速していることへの懸念に対し、人民銀行は12日、公式サイトで、「現在、人民元が継続的に下落する根拠はない。管理フロート制を実施しており、為替レートの基準値の変動は正常。短期的な慣らし期間を過ぎれば、外国為替市場でのレート変動や人民元レートの基準値の変動は、徐々に安定へ向かう」との見方を示している。

人民元のさらなる切り下げや米連邦準備制度理事会(FRB)が9月に利上げを実施し、新興市場の通貨も下落するのではとの予測から、12日には、新興市場の通貨が軒並み大幅に下落した。この問題に関して、タイやフィリピンの中央銀行の当局者は楽観的な態度を示している一方、インドネシアの中央銀行の当局者は支えきれないとの見方を示している。

■「人民元の下落幅はコントロールできる」

人民元の対ドルレートの基準値が2日連続で切り下げられた12日には、今年末までに、人民元の対ドルレートは、さらに約3-4%下落し、1ドル=6.40-6.45になるのではと、市場で予測された。

しかし、対外経済貿易大学(北京)の楊軍(ヤン・ジュン)教授は、「人民元の下落幅はコントロールできる。でなければ、引き下げを実施することはしない」と指摘している。今回の基準値改革は、国民のグローバル化や、国際通貨基金(IMF)の特別引き出し権(SDR)構成通貨への人民元採用を狙う国家戦略の1つで、単に、基準値調整が、FRBの利上げや元高と重なったため人民元の下落が生じたに過ぎない。

人民元の過度の下落を避けるため、人民銀は12日に、代理銀行を通して、人民元の対ドルオンショアレートに介入するという報道もあった。

人民銀は12日、「中国の経常収支は、輸出超過が続いており、これは為替市場の需要と供給を決める主要な要素であり、人民元レートを支える重要な基礎でもある」と指摘した。

■不動産市場や株式市場も下落?

今回のレート変動の不動産市場や株式市場への影響はほとんどないものの、不動産企業の在庫が増加する可能性がある。

国泰君安証券の首席経済学者、林採宜(リン・ツァイイー)氏は、「今回のレート変動の株式市場や不動産市場への影響はほとんどない。金の価格が高騰するというのは、一般人の誤解で、人民元が下落するとの予測からリスク回避のために金などを購入する人が増加している」と分析している。

一方、アジア太平洋都市不動産研究院の謝逸楓(シエ・イーフォン)院長は、「不動産企業の海外融資は、大きな影響を受け、それが国内の不動産価格に波及する」と予測している。

不動産代理大手・中原地産の統計によると、今年の1-7月期、不動産企業の海外融資は計183億1000万ドル(約2兆2000億円)と、前年同期の431億5400万ドル(約5兆1800億円)から57.6%減となった。

謝院長は、「レート調整の不動産企業に対する最大の影響は、海外融資のコストが上がること。不動産購入計画や着工計画などに影響が及び、在庫が増加する可能性がある。不動産価格が少し下落する可能性も排除できない」と予測している。(提供/人民網日本語版・翻訳/KN・編集/武藤)

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