2015年9月9日、韓国・東亜日報は韓国社会にはびこる不平等の現状を伝えた。

【その他の写真】

記事は、「能力主義を社会に適用する場合、競争の開始から終わりまですべての過程が公正でなければならないという前提がある。また、資本主義社会では順位付けは必然的に存在するが、だからといって競争に負けた人が、人としての尊厳を棄損されるようなことがあってはならない」としている。しかし、「韓国社会はそうではない」とし、「韓国では、資本主義社会では一部の犠牲は仕方ないとする考えが多く、結果の平等に関する誤解が非常に大きい」と指摘。「結果の平等とは、誰でも人間らしく生きるに値する報酬を得ることを意味する。たとえば、競争で負けた者でも、最低賃金程度は受けとれる労働に従事できるようにすることだ」と説明している。

記事はさらに、「韓国では最低賃金が守られないことが多く、全労働者の11．4％がこれさえも保証されていない（2013年基準）。これは日本（2．1％）、オランダ（0．3％）に比べて著しく高い数値だ。日本はオランダに比べて生活が困難な人が多くなるが、韓国の状況はそのような日本より5倍も深刻なレベルだ」と指摘する。また、「韓国はこのような異常の正常化を要求する人を『わがまま』として扱う。このような社会をネットユーザーは、ヘル（hell）朝鮮と呼んでいる」としている。

この記事に、韓国のネットユーザーからは「まさにその通りだ」「こんな状況でも朴槿恵（パク・クネ）の支持率が下がらないのが不思議だ」「個人の努力では克服できない身分の壁がますます高くなっている。これがヘル朝鮮だ」「ヘル朝鮮は、力の論理が優先され、間違った特権意識で利益を得ようとするような社会のことだ」「ヘル朝鮮はわれわれ自身が創り出したものだ」などのコメントが寄せられている。（翻訳・編集/三田）