<アベノミクス赤信号>7〜9月期GDPもマイナス成長へ=2期連続で「景気後退局面」入り―政府の「回復シナリオ」崩れる

八牧浩行    2015年10月1日(木) 8時46分

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政府の景気回復シナリオが変調を来している。7〜9月期の国内総生産(GDP)の伸び率がマイナスになるのは確実の情勢となった。2期連続のマイナス成長となれば景気後退局面入りしたことになる。写真は日本銀行。

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政府の景気回復シナリオが変調を来している。7〜9月期の国内総生産(GDP)の伸び率がマイナスになるのは確実の情勢となった。鉱工業生産指数も2期連続のマイナスとなるのは必至だ。2期連続のマイナス成長となれば景気後退局面入りしたことになり、「景気は足踏み状態にあり、7〜9月に成長軌道に戻ると」いう政府の景気回復シナリオは崩れる。

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 4〜6月期の実質GDP伸び率は前期比年率1.2%のマイナスだった。輸出、設備投資が悪化し、個人消費も伸び悩んだためだ。7〜9月期は好調な企業収益や賃金増から、好転するとの予想が多かったが、輸出や鉱工業生産が大幅に減少したため、シンクタンクの多くが成長率予測をマイナスに下方修正した。 

 

 鉱工業生産指数は、8月に前月比0.5%低下と2カ月連続のマイナスになった。建設機械や電子部品、自動車などを中心に下落した。世界的な景気の低迷による輸出減少や消費の悪化を背景にしたものだ。

安倍政権の経済政策であるアベノミクスは景気回復とデフレ脱却を2大目標としている。安倍晋三首相は「第2ステージに入った」としているが、デフレ脱却の指標となる「2%のインフレ目標」の達成も絶望的で、その2大目標が崩れることになる。(八牧浩行

■筆者プロフィール:八牧浩行

1971年時事通信社入社。 編集局経済部記者、ロンドン特派員、経済部長、常務取締役編集局長等を歴任。この間、財界、大蔵省、日銀キャップを務めたほか、欧州、米国、アフリカ、中東、アジア諸国を取材。英国・サッチャー首相、中国・李鵬首相をはじめ多くの首脳と会見。東京都日中友好協会特任顧問。時事総合研究所客員研究員。著・共著に「中国危機ー巨大化するチャイナリスクに備えよ」「寡占支配」「外国為替ハンドブック」など。趣味はマラソン(フルマラソン12回完走=東京マラソン4回)、ヴァイオリン演奏。

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