日本製家電の捲土重来はなぜ?―中国紙

Record China    2015年10月19日(月) 17時50分

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14日、中国の消費者が日本で盛んに買い物すると同時に、これまでの中国で作った製品を日本で売るという流れが日本で作った製品を中国で売るという流れに変わりつつある。

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2015年10月14日、中国の消費者が日本で盛んに買い物すると同時に、これまでの中国で作った製品を日本で売るという流れが日本で作った製品を中国で売るという流れに変わりつつある。電器製品は日本の得意分野だが、これまで日本の家電ブランドは中国の安いコスト、大きな市場、川上から川下まで整った産業チェーンなどの強みを評価して、生産能力を相次いで中国に移転させ、一部の製品を日本に逆輸入して販売していた。だが今年に入ってから、日本の家電企業で方針を転換するところが増えており、日本で作った家電製品を中国で大量に販売するようになった。北京青年報が伝えた。

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パナソニックは22年前、広東省広州市に世界最重要のエアコン製造拠点を建設し、日本市場で売られている同社製エアコンの80%はここで製造されたものだった。ここでは毎年、中国市場向けに新製品がうち出してきたが、来年は日本で製造した製品を中国市場向け新製品として販売するという。パナソニックAPエアコン広州有限会社の山口社長は、「こうした販売価格が2万元(約37万8000円)以上する日本製エアコンは中国の消費者に歓迎されるはず」と期待する。

パナソニックのエアコンをめぐる状況は例外ではなく、台所用ガス製品のリンナイも同じような計画を進めている。リンナイは23年前に上海燃気集団と合弁する形で中国市場に進出し、これまで一貫して上海に製造拠点を置き、主にガス給湯器を製造してきた。上海リンナイ有限公司営業販売部の王延紅(ワン・イエンホン)部長が取材に答えて述べたところによると、年内に中国市場で初めてガスレンジを売り出す計画で、日本製の製品を輸入し、上海では製造を行わない予定だ。この日本式ガスレンジには小型のオーブンもついており、価格は5000元(約9万4600円)前後ほどで、中国市場での同類製品の平均価格1500元(約2万8400円)を大きく上回るが、王部長は市場の反応に自信があるという。

エアコンやガスコンロなどは中国が世界最大の製造国であり、家電強国の日本でも中国製品が重要な位置を占めてきた。だが今では海外家電メーカーが自国で製造した家電製品が「捲土重来(けんどちょうらい)」を果たそうとしている。それはなぜか。日本の複数の家電メーカーの責任者が、「転換を促した原因は中国人消費者が質の高い外国産の輸入製品をますます志向するようになったことにある。このことは中国人旅行者が海外で盛んに買い物している様子からもうかがうことができる。また中国の消費財の高級化と大幅な円安も、日中両国製品の価格差を大幅に縮小させており、これは日本企業が自国で製造した製品を中国で販売するようになった重要な原因だ」との見方を示す。王部長は、「10年前には、日本製ガスコンロの価格を人民元に換算すれば1万5000元(約28万4000円)以上になり、当時は日本製ガスコンロを中国市場に導入することはほぼ不可能だった」と振り返る。

長年にわたり、中国は世界最大の家電製造国であり、かつての家電強国の日本は生産量が縮小を続け没落した印象を与えていた。だが実際には、日本の家電メーカーは大規模化から高級精鋭化へと路線を転換し、コストの強みに頼らない新戦略を取ったのだ。一方、中国の家電メーカーは長期間、価格面での強みばかりを求めて品質をおざなりにしてきた。中国人消費者が質を重視するようになると、自国製品では満足できないことに気づいた。こうして外国産の家電が再び勢いを盛り返すことになったのだ。(提供/人民網日本語版・翻訳/KS・編集/武藤)

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