Record China 2015年10月17日(土) 9時30分
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米マンスフィールド財団のフランク・ジャヌージ理事長は、日本記者クラブで東アジアの安全保障問題について講演し、同国が抱えている高齢化社会、少数民族問題など6つのドラゴン(課題)を解決するに当たって日米同盟が重要な役割を果たすことができるとの考えを示した。
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2015年10月15日、米モーリーン・アンド・マイク・マンスフィールド財団のフランク・ジャヌージ理事長は、日本記者クラブで東アジアの安全保障問題について講演し、21世紀に起こった地政学的に最も重要な問題は中国の台頭であるとした上で、同国が抱えている高齢化社会、少数民族問題など6つのドラゴン(課題)を解決するに当たって日米同盟が重要な役割を果たすことができるとの考えを示した。
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同財団はマンスフィールド元駐日大使の功績をたたえて1983年に設立され、米国とアジア各国間の政策課題の研究などを行っている。ジャヌージ氏は米上院外交委員会の東アジア担当政策部長などを務め、ジョゼフ・バイデン副大統領と太いパイプを持っている。
同理事長は、トウ小平指導部が1978年に改革・開放政策を打ち出して以来、中国と日米両国との関係は歓迎・促進、発展に伴う利益享受の段階を経たのち、台頭した現在は「バランスを取りながらヘッジをする」第3段階にあると指摘。中国が軍事力を増強し、南シナ海などで強力に領有権を主張しているのもこの表れであるとし、こうした中国にうまく対応する鍵を握っているのが日米両国だとの認識を示した。
ジャヌージ理事長は中国の台頭が永遠に続くことはあり得ないとし、同国が環境破壊、エネルギー安全保障、高齢化社会、貧富の格差、少数民族、汚職など6つのドラゴンを抱えていると指摘。「日米同盟は中国が課題を解決する上で同国を助ける役割を果たすことができる。中国を破綻国家に追い込むより、成功した国に導くほうが日米両国の利益にかなう」と述べた。中国との間では核不拡散、テロ対策、国連の平和維持活動など共通してできることを探すとともに、南シナ海でも「道路交通法」のようなルールを見つけていく努力が必要だと強調した。
環太平洋連携協定(TPP)に加盟する可能性について同理事長は、「世界最大の貿易国である国を除外した形でアジアの貿易の仕組みを作ることはあり得ない」とし、中国のTPP加盟が望ましいとの考えを示した。中国が主導して設立するアジアインフラ投資銀行(AIIB)に日米両国が加盟する可能性については、「残念ながら、予見し得る将来は入らない」との見通しを明らかにした。
一方、北朝鮮については、比喩的かつ象徴的な意味でも「非常に暗い国」であるとしながらも、「変わりつつある証拠もある」とし、市場が生れつつあることや首都・平壌での電力供給がより安定化してきていることなどを挙げた。(長澤孝昭)
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