農協中央会会長、TPP大筋合意を批判、「農産品の関税を守る」国会決議は守られたのか? =農業の現場から怒りの声―精査し対策要望

八牧浩行    2015年10月20日(火) 8時3分

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19日、全国農業協同組合中央会(JA全中)の奥野長衛会長(写真左)は日本記者クラブで記者会見し、TPP大筋合意について、農業の現場から不安、驚きと怒りの声が多く寄せられた、と指摘。「農産品の関税を守る」とする国会決議が守られたのか、と厳しく批判した。

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2015年10月19日、全国農業協同組合中央会(JA全中)の奥野長衛会長は日本記者クラブで記者会見し、環太平洋連携協定(TPP)大筋合意について、農業の現場から不安、驚きと怒りの声が多く寄せられた、と指摘。「農産品の関税を守る」とする国会決議が守られたのか、と厳しく批判した。発言要旨は次の通り。

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TPPの交渉は本当のところは、交渉の当事者だけしかわからない。大筋合意と発表されたが、「こんなはずではなかった」と農業の現場から不安、驚きと怒りの声が多く寄せられた。「農産品の関税を守る」とする国会決議が守られたのか。今後、独自にTPPの影響について、本部・地域組織挙げて情報を集め、精査してかなければならない。膨大な農産品目が扱われているので、丁寧に検証し、できれば 11 月末までに概括的な結果を出したい。

その上で、政府に説明責任と必要な対策などを要望していきたい。農業者、特に若い世代が安心して農業経営できるよう、息の長い確たる農業政策を望む。

 

JA全中は15日に開催した全国大会で「農業者の所得増大」などを目標とした決議案を採択。農業者の所得増大と地域活性化に向け、全国約700の地域農協を中心に「自己改革」を実践する基本方針を決めた。「適地適作」について各地域で検討してもらうのが最も重要だ。農協運動の結集軸として、新たな全中を構築していく。(八牧浩行

■筆者プロフィール:八牧浩行

1971年時事通信社入社。 編集局経済部記者、ロンドン特派員、経済部長、常務取締役編集局長等を歴任。この間、財界、大蔵省、日銀キャップを務めたほか、欧州、米国、アフリカ、中東、アジア諸国を取材。英国・サッチャー首相、中国・李鵬首相をはじめ多くの首脳と会見。東京都日中友好協会特任顧問。時事総合研究所客員研究員。著・共著に「中国危機ー巨大化するチャイナリスクに備えよ」「寡占支配」「外国為替ハンドブック」など。趣味はマラソン(フルマラソン12回完走=東京マラソン4回)、ヴァイオリン演奏。

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