僕から取り上げた「クレヨンしんちゃん」を読んで大笑い、母をも夢中にさせた日本の漫画―中国人学生

日本僑報社    2015年11月6日(金) 20時20分

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中国の若者の間では近年、アニメ、コミック、ゲームを総称する「ACG」という言葉が生まれた。山東財経大学の陳謙さんは、自身とACGの関係についてつづっている。写真はクレヨンしんちゃんのグッズ。

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中国の若者の間では近年、特に日本のアニメ、コミック、ゲームを総称する「ACG」という言葉が生まれた。それだけ、日本のアニメ文化に興味を持つ中国人が増えていると言えそうだ。山東財経大学の陳謙さんは、自身とACGの関係について、次のようにつづっている。

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最近、暇があったので、子ども時代の日記を読んでいたら、面白いページを発見した。

「今日宿題をしているとき、母の目を盗んで『クレヨンしんちゃん』を読んでいたら、母が急にドンッとドアを開けて入ってきた。僕は慌てて本を隠したが、もう遅かった。母は、『また漫画を読んでいたの?!ほら!出しなさい!』と言って、僕の宝物を全部押収していった。仕方なく宿題をすることにしたが、全然勉強する気にならなかったから、隠してあった別の漫画を読み始めた。宿題を終えて部屋を出ると、母が僕の漫画に夢中になっていて、読みながら笑っているのだった。そして、僕に向かって『しんちゃんってかわいいね』と言った。まったくもう…」

母をも夢中にさせた日本の漫画は、小さい頃から常に私の傍らにあった。それは今でも変わらない。私にとって、日本の漫画やアニメ、ゲームは最良の先生でもあり、友達でもある。最初に読んだ漫画は「ドラゴンボール」だった。一冊は3.5元で、当時まだ小学生だった私にとっては、とても高価なものだった。それでも、最新の「ドラゴンボール」を買うために、私は小遣いを節約した。全部を買えたわけではないが、孫悟空の生き方から、私は大きな影響を受けた。悟空が世界を救うためにセルと共倒れした時、私は責任の意味を知った。

高校生になると、アニメの面白さに気付くようになった。カラフルな画面に、ぴったりのBGMが流れ、キャラクターが真に迫ったものになる。「ハンター×ハンター」「幽游白書」「ワンピース」「NARUTO」などのアニメが大好きだ。とりわけ「ワンピース」は私に、あきらめない心や友情の素晴らしさを教えてくれた。モンキー・D・ルフィーは、友人や仲間のために自分の命を犠牲にしてもいいと思っている。そんなふうに思ってくれる友人を見つけるのは、現実には難しいかもしれないが、彼らに憧れ、うらやましく思うと同時に、自分も彼らのように強く自立した人間になり、そこまで犠牲を払ってもいいと思えるような友達を見つけたいと思うのだ。

私と同年代の人たちにとって、ファミコンは非常に懐かしいゲーム機だろう。友達と「スーパーマリオブラザーズ」で遊んでいた時は、いつも相手が下手だったので、リモコンを奪い取っていたものだ。「チップとデールの大作戦」をやっているときは、わざと相手を持ち上げて、よく友達に怒られた。そういうゲームを介して、私はチームワークを学んだ。

こうやって思い返してみると、私はACGとともに成長してきたんだな、ということが実感できる。宿題をさぼって漫画に夢中になっていたあの頃、「クレヨンしんちゃん」を読みながら笑っていると、いろいろな悩み事を忘れることができた。今でも、自分の好きな漫画を見つけると、必ず買ってしまう。ギャグ漫画のユーモアとか、ファンタジー漫画の奇想天外さとか、学園漫画の恋愛模様など、すべてが私を強く引きつけてやまない。

周りの人に「そんなに子どもっぽいものを見て…」と言われても、私は全く気にしない。他人がどう思うかにかかわらず、自分が楽しむことができればそれでいいと思う。アニメを見る時、私は主人公と一緒に泣いたり、笑ったりする。そうしているうちに、心の中の悲しみや不満は、いつのまにか消えてしまうのだ。私に友情、勇気、責任感の大切さを教えてくれたACG は、これからも親友のような存在として、私のそばに居続けてくれることは間違いないだろう。(編集/北田

※本文は、第十回中国人の日本語作文コンクール受賞作品集「『御宅』と呼ばれても」(段躍中編、日本僑報社、2014年)より、陳謙さん(山東財経大学)の作品「私とACGの縁」を編集したものです。文中の表現は基本的に原文のまま記載しています。なお、作文は日本僑報社の許可を得て掲載しています。

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