「日本のことを悪く考えすぎていたのかもしれない」=剣道講座を心から楽しんだ中国の学生の言葉

日本僑報社    2015年11月8日(日) 15時31分

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日中が相手に対して抱いている印象は決して芳しくはないが、文化的には相手の国に親近感を覚えるという人も少なくない。合肥学院の王傑傑さんは、異文化交流を通して親近感を高めることを呼びかけている。写真は剣道。

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日中が相手に対して抱いている印象は決して芳しくはないが、文化的には相手の国に親近感を覚えるという人も少なくない。合肥学院の王傑傑さんは、異文化交流を通して親近感を高めることを呼びかけている。

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あるとき、私の大学で日本語クラブを作る話題が持ち上がりました。そして新しいメンバーを募集するために、私たちは日本文化を宣伝しようと思って和服を着ることにしました。和服を着てクラスメートと一緒にキャンパスの中を歩いていました。しかし、私たちを見た人たちは変な視線で私たちを見て、ぶつぶつ言いながら私たちの横を通り過ぎていきました。一人の男子学生には「おい、お前早くそんな服を脱げよ」と言われました。

その時、私は非常に不愉快になり、腹が立ちました。でも大袈裟させないように我慢しました。そして、真面目な態度で、「これは私たちのクラブの活動として、日本文化を紹介したいから着ている。何の問題もないでしょう」と返事しました。彼はすぐに返事が出来ず、その場から姿を消してしまいました。その男子学生が日本に関してどのぐらい知っていたのでしょうか。おそらく何も知っていなかったのだと思います。

多くの中国人が日本に対しての親近感を持っていない理由について、私は交流が少ないせいで誤解が積み重なっているためだと思いました。ですから、私は日本語クラブの活動を生かして、まず学校内で日本文化のいいところを学生たちに見せようと決めました。

そしてある日、私たちは日本人の先生をお招きして、剣道の講座を全校の学生に向けて行いました。日本人の先生は「剣道は昔の中国から日本に伝わってきたので、日中両国の親近感をずっと感じた。剣道の精神は『思いやることのできる人間になること』で、私たちもお互いに理解し合い、共に進歩するようになるべきだ」とおっしゃいました。

多くの学生が出席し、しかもそのほとんどが他の学科の学生とは予想できませんでした。彼らが日本人の先生の講義を聞きながら次々と質問して、講座の最後に先生と一緒に剣道着を試着したり、写真を撮ったりするなど、とても楽しんでいる様子を見て、私は深く感動しました。特に、参加者の一人は「今日はこんなに多くのことを実際に体験できて、とてもうれしい。私は以前、日本のことを悪く考えすぎていたのかもしれない。日中両国の間にこんなに親近感を感じたことは初めてだ」と私に言ってくれたのです。

日中両国民が親近感を高めるためには「自分の文化を伝えると共に、相手の文化を知る」ということが何より最も重要ではないかと考えています。つまり、両国が相互に文化を発信すれば、自然に親近感を感じるようになるということです。これから、日中両国民が親近感を高めるために、たとえ時間がかかっても一人でも多くの中国人に日本のいいところを理解してもらえば、中国と日本はお互いの価値を認め合い、いつか家族のように付き合っていくと私は信じています。(編集/北田

※本文は、第八回中国人の日本語作文コンクール受賞作品集「中国人がいつも大声で喋るのはなんでなのか?」(段躍中編、日本僑報社、2012年)より、王傑傑さん(合肥学院)の作品「異文化交流に基づいての親近感」を編集したものです。文中の表現は基本的に原文のまま記載しています。なお、作文は日本僑報社の許可を得て掲載しています。

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