2015年12月3日、韓国・ニュース1は、このところ相次ぐ日本への北朝鮮漁船の漂着は、金正恩（キム・ジョンウン）体制下、北朝鮮が全力を挙げる漁業拡大路線の「副作用」だと伝えた。

最近、青森県や石川県、福井県など日本海の海岸に、遭難したとみられる北朝鮮の漁船が漂着する事例が相次いでいる。韓国の専門家によると、こうした現象は、北朝鮮で金正恩第1書記が政権を執って以降、水産事業所の現地指導を行うなど漁業拡大政策に積極的に乗り出しているためだという。実際、韓国政府情報筋の集計では、日本への漂着事例は一昨年以降頻発し、13年には80隻、昨年は65隻、そして今年は現時点で34隻に上っている。

同情報筋によると、発見された船の一部には「朝鮮人民軍」と記された例もあるものの、多くが簡素な木造でGPS機能もないため、軍所属ではなく軍に管理された漁船とみられる。船から乗組員が遺体で発見される痛ましい事態も起こっているが、北朝鮮は漁業拡大方針をますます強めており、今後も同様の問題が続くのではと懸念されている。

これに、韓国のネットユーザーは次のようなコメントを寄せた。

「金正恩が望むのはこんな王国なのか？」

「人として哀れだ」

「僕が延坪島（韓国の北西岸、南北軍事境界線近くの島）にいたときも、漁船が流れて来ていたよ。北朝鮮の警備艇まで流れて来たこともあった」

「脱出でなく遭難とは、むごい」

「こんな国を地上の楽園と持ち上げる、韓国の北朝鮮支持者はいったい何なんだ？」

「木造船一つで海に出たって、何もできないよ」

「そういう仕事をやったこともない人に、無理やり魚を捕って来いと言うんだろうな」

「東海（日本海）は深くて波も高い。そんな所に、船とも言えないようなおもちゃみたいな物で出て行くなんて…」

「食糧問題の根本的な原因には目をつぶり、人民を無理やり海に送る政策か」

「人間としてとてもできないようなことをする集団、それすなわち国ではない」（翻訳・編集/吉金）