オバマ大統領、「日本と近隣諸国との関係改善は米国の国益にかなう」と日中韓3カ国への働きかけを指示―ケネディ米駐日大使が会見で明かす

八牧浩行    2015年12月17日(木) 16時40分

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17日、ケネディ米駐日大使が日本記者クラブで記者会見。オバマ大統領が2年前の大使任命時に「日本と(中国、韓国など)近隣諸国との関係改善は米国の国益にかなうので、このプロセスを推進させるよう指示した」事実を明らかにした。

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2015年12月17日、キャロライン・ケネディ米駐日大使が日本記者クラブで記者会見した。2年前に駐日大使として任命された際、オバマ大統領が「アジアへのリバランスは米外交政策の中核的な要素であり、揺るぎない日米同盟という土台の上に築かれている」と指摘し、「日本と(中国、韓国など)近隣諸国との関係改善は米国の国益にかなうので、このプロセスを推進させるよう指示した」事実を明らかにした。発言要旨は次の通り。

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日米は強固なパートナーシップで結ばれており、オバマ大統領は私を2年前に駐日大使として任命した時、「アジアへのリバランスは米外交政策の中核的な要素であり、揺るぎない日米同盟という土台の上に築かれているという強いメッセージを送りたい」と言っていた。その際、大統領は「日本と(中国、韓国など)近隣諸国との関係改善は米国の国益にかなう」と強調し、「このプロセスを前進させるのを手伝ってほしい」と指示した。

オバマ大統領は2014年に国賓として来日した際に、「米国は太平洋国家であり、日本の防衛にコミットしている」と改めて言明。さらに「今は日米同盟にとって転換期であり、一世代に一度のチャンスを最大限に生かす必要がある」と強調した。

オバマ大統領は安部首相が前向きのビジョンを持ち、経済再生計画と女性の登用重視を推進していることに感銘を受けている。

日米両国は、経済でも緊密な関係にあり、さらに発展させていきたい。TPP(環太平洋連携協定)の大筋合意は、農業、製造業の雇用と輸出に大きく貢献し、知的財産の保護につながる。米議会はTPPを承認するものと確信している。成功すれば、幾世代にわたり恩恵を享受できる。

日米両国の共通の目標は、気候変動問題で連携し地球温暖化を抑止することだ。クリ―ンエネルギーや未来型自動車などでさらに協力すれば多くの経済的な効果ももたらし、雇用拡大が可能となる。(八牧浩行

■筆者プロフィール:八牧浩行

1971年時事通信社入社。 編集局経済部記者、ロンドン特派員、経済部長、常務取締役編集局長等を歴任。この間、財界、大蔵省、日銀キャップを務めたほか、欧州、米国、アフリカ、中東、アジア諸国を取材。英国・サッチャー首相、中国・李鵬首相をはじめ多くの首脳と会見。東京都日中友好協会特任顧問。時事総合研究所客員研究員。著・共著に「中国危機ー巨大化するチャイナリスクに備えよ」「寡占支配」「外国為替ハンドブック」など。趣味はマラソン(フルマラソン12回完走=東京マラソン4回)、ヴァイオリン演奏。

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