中国経済は「新常態」へ、日系企業の発展は?―中国メディア

Record China    2016年1月14日(木) 4時0分

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12日、中国の国内総生産(GDP)が2010年に日本を抜いて世界2位になると、中国経済にはそれまでの30年間とは明らかに異なる特徴がみられるようになった。資料写真。

2016年1月12日、中国の国内総生産(GDP)が2010年に日本を抜いて世界2位になると、中国経済にはそれまでの30年間とは明らかに異なる特徴がみられるようになった。成長率が徐々に鈍化し、14年には7.3%に低下した。こうして中国経済は「新常態」(ニューノーマル)の時代に突入し、重点任務がイノベーションと経済の構造調整へと変化した。人民網が伝えた。

こうした経済情勢の下、中国の日本企業の経営状況はどうなっているだろうか。日系企業は中国事業をどのように考えているのか。中国の日本企業の今後の投資の方向性や事業発展の方向性はどこにあるか。これらの点をめぐり、日本貿易振興機構(ジェトロ)は8日に北京で「『新常態』に向けた構造調整における日本企業の中国事業」と題する説明会を開催し、北京事務所の田端所長が詳しい説明を行った。

▽日系企業の半数以上が「現状維持」を希望、「内販型ビジネスが方向性」が主流に

田端所長によると、ジェトロはこのほど「2015年度在アジア・オセアニア日系企業実態調査」を行い、日系企業の中国事業の経営状況、今後の発展について分析を行った。調査の結果をみると、「今後1〜2年間の事業発展の方向性」については、「事業を拡大する」と答えた企業は38.1%で、1998年の同調査開始以来、初めて40%を下回り、昨年の46.5%から8.4ポイントも減少した。「現状維持」とした企業が最多で53.1%を占めた。「投資を縮小する」、「移転する」、「撤退する」が10.5%で、昨年の7.5%から3ポイント増加した。

15年の計画として「投資を縮小する」、「移転する」、「撤退する」を挙げた企業の割合が増えたことの主な原因として、田端所長は企業の売上高の減少、人件費の上昇、発展の潜在力の低下を挙げる。

▽「新常態」の下の日系企業、事業構造の再編がぜひとも必要

調査結果を検証するため、ジェトロは中国の日系企業27社に対するアンケート調査も行った。それによると、多くの企業が中国経済の成長ペースの鈍化を実感していると答えたが、楽観的な態度を維持するとともに、中国市場に合わせて事業構造の調整を行う必要があるとの見方を示した企業が少なくなかった。

調査によると、中国の経済成長率はやや鈍化したに過ぎないとし、今後の動きに期待する企業があった。また中国経済は「新常態」に突入したが、経済成長率は引き続き高水準で、市場の潜在力も大きく、産業は高度化の方向へと発展しつつあり、個人消費にはまだ大幅な低下はみられず、消費は依然活発で、質の高い製品に対する中所得層の消費意欲は衰えていないとみる企業もあった。

アンケート調査で、一部の企業は中国市場に対して事業調整を行うとの積極的な姿勢をみせた。こうした企業は現在の企業の事業と市場には不釣り合いなところがあり、取り扱う製品の強みが中国の市場環境に適合しておらず、ビジネスモデルを改善し、戦略を調整する必要があるとしている。また一部の企業は中国市場は環境、健康などの分野に潜在的かつ巨大なビジネスチャンスがあり、新型事業を開拓して新たなビジネスの流れを生み出し売上高を伸ばすために努力すると答えた。

▽製品は加工型低付加価値製品からハイテク高付加価値製品へと発展

ジェトロは中国の日本企業に対する「実態調査」だけでなく、日本国内の企業141社(中国にある日系企業の本社)に対しても補助調査を行った。「中国経済のペースダウンが全体として企業の事業に影響を与えているか」との質問に対し、「マイナス影響がある」とした企業が30%前後を占め、「プラスの影響もあればマイナスの影響もある」は60%に達した。「今後、中国事業を拡大する計画がある」としたところは43%を占めた。

多くの企業が、消費、情報通信技術(ICT)、環境、健康、介護、物流、中・小型自動車などの事業を拡大したいと答えた。円安や中国の人件費増大にともない、企業は低付加価値製品から高付加価値製品へと移り変わる傾向をみせている。(提供/人民網日本語版・翻訳/KS・編集/武藤)

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