2016年1月11日、韓国・聯合ニュースによると、国際格付け会社ムーディーズが北朝鮮の政権崩壊の可能性を示唆した。

ムーディーズは、北朝鮮の核実験以降、韓国の対北朝鮮拡声器放送再開に伴う外部情報の流入が北朝鮮の金正恩（キム・ジョンウン）第1書記の統治を脅かすことになると指摘した。ムーディーズのシリン・モハンマディ氏とステファン・ディック氏は11日の市況展望レポートで、「北朝鮮政権は65年以上維持されてきたが、国内の政治的・経済的圧力は突然の政権崩壊につながる可能性がある」とし、「韓国にとっては、北朝鮮と直接戦争をするより大きなリスクになるだろう」と指摘した。

ムーディーズの言うリスクには、北朝鮮の政権崩壊が南北統一に繋がった場合の韓国の経済的負担が含まれる。2014年基準で南北の経済規模を比較してみると、北朝鮮の1人当たりのGNI（国民総所得）は138万8000ウォン（約13万4600円）で、韓国の2968万ウォン（約287万9000円）の21分の1となっている。南北統一後、双方の経済格差を埋めるための費用として、韓国財政学会の試算では韓国の国内総生産（GDP）の1．3〜6．6％の額を10年間負担する必要があるとされ、韓国国会予算政策処試算ではGDPの3．9％を45年間負担する必要があるとされている。韓国にとって南北統一は大きな経済的負担になる。

この報道に、韓国のネットユーザーからさまざまなコメントが寄せられている。

「北朝鮮の政権崩壊は50年も前から言われていることだ。誰もが知っている話。問題は、いつその日が来るかということだ」

「可能性で議論したら、米国だって崩壊し得る」

「韓国政府は南北統一のリスクへの備えをちゃんとしているのだろうか」

「リスクがあっても、統一したら核保有国になれるという特典が」

「南北統一したら国土も人口も増えるし、国は大発展するに違いない」

「北朝鮮より韓国の方が（経済的に）危ないなんてことはないか？」

「どんなリスクがあろうとも、念願の南北統一を夢見たいと思う。平壌にも行ってみたいし、金剛山にも登ってみたい。考えただけでも胸が躍る」

「北朝鮮の崩壊が統一の一つのシナリオであることは確かだ。しかし、突然の統一は私たちにとって非常に大きな負担となることも事実。貧しい北朝鮮市民をどのように扱っていけばよいのか。幸いなことに韓国の産業界は世界でも有数の実力を持っている。北朝鮮の地下資源や人材をうまく活用すれば、統一後もうまくやっていける」（翻訳・編集/三田）