東証株価の下落に歯止めかからず、1年3か月ぶり1万6000円割れ=金融株中心に総崩れ―「マイナス金利激震」さらに拡大

八牧浩行    2016年2月10日(水) 10時14分

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10日、東京証券取引所の日経平均株価が続落、一時前日比200円近く安い1万5894円を付けた。節目となる1万6000円を割り込んだのは、2014年10月31日以来約1年3カ月ぶり。写真は東京証券取引所。

2016年2月10日、東京証券取引所の日経平均株価が続落、一時前日比200円近く安い1万5894円を付けた。節目となる1万6000円を割り込んだのは、2014年10月31日以来約1年3カ月ぶり。年初からの下げ幅は約3200円に達した。

前日の欧米市場での株価や原油価格下落を受けたことに加え、日本企業の業績悪化が表面化したため、運用リスクを避けようとする動きが広がった。東京外国為替市場で円相場が1ドル=115円台で高止まりしていることも背景となっている。

日銀の「マイナス金利」政策が長期金利をめぐる混乱を誘発、銀行株や輸出関連株、資源株を中心に売られた。

今期の企業業績の好調は株高の大前提だったが、3月期決算企業の4〜12月期決算発表では、通期の利益見通しを下方修正する企業が続出。さらに日銀のマイナス金利政策の導入で新発10年国債利回りがマイナスに転じるなど、長期金利が急低下し、経済の中枢ともいえる金融機関の収益圧迫要因になっている。三菱UFGフィナンシャル・グループをはじめとするメガバンクや地方銀行は、日銀が「マイナス金利」政策を発表した1月29日以降、2割以上値下がりした。

市場筋は「世界的に金融機関の収益力や成長性に対する疑心暗鬼が広がり、世界の景気後退につながっている。日本企業の収益悪化も懸念され、株価下落は歯止めがからない」と憂慮している。(八牧浩行

■筆者プロフィール:八牧浩行

1971年時事通信社入社。 編集局経済部記者、ロンドン特派員、経済部長、常務取締役編集局長等を歴任。この間、財界、大蔵省、日銀キャップを務めたほか、欧州、米国、アフリカ、中東、アジア諸国を取材。英国・サッチャー首相、中国・李鵬首相をはじめ多くの首脳と会見。東京都日中友好協会特任顧問。時事総合研究所客員研究員。著・共著に「中国危機ー巨大化するチャイナリスクに備えよ」「寡占支配」「外国為替ハンドブック」など。趣味はマラソン(フルマラソン12回完走=東京マラソン4回)、ヴァイオリン演奏。

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