「私はとんでもない間違いを犯していた」=日本人の先生との交流で感じた「失望」の正体―中国人学生

日本僑報社    2016年3月3日(木) 7時10分

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日本人と中国人は外見こそ似ているものの、その習慣や文化は大きく異なる部分がある。遼寧大学の王さんは、日本人の先生との交流で抱いた疑問から、日本人と中国人の付き合い方について記している。資料写真。

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日本人と中国人は外見こそ似ているものの、その習慣や文化は大きく異なる部分があり、時に誤解が生じることもある。特に、人と人の距離感は中国の方が日本よりもずっと近く、初めて中国人と付き合う日本人の中には面食らってしまう人もいる。遼寧大学の王●博(ワン・ユーボー、●は「日」の下に「立」)さんは、日本人の先生との交流で抱いた疑問から、日本人と中国人の付き合い方について、次のように記している。

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最近、中国へ来る日本人も日本へ行く中国人も多くなってきているそうですが、日中両国の人々の間にはまだ見えない壁が存在しています。私にも理解できないことが一つあります。それは、日本人から受ける距離感です。

日本語専攻なので、私の講座には当然日本人の先生がいらっしゃいます。授業の後、何度も先生を訪ねて行ったことがあります。日本について日本人の考え方についてもっと知りたかったからです。でも、先生は日本語についての質問にしか答えてくださいませんでした。最初は中国に来たばかりでまだ中国の学生と仲良くなっていないからだと思っていました。しかし、時間がたつに連れ、その先生との距離は少しも縮んでいないようです。

ある日、日本に留学している友達に相談したら、彼も同じ悩みを抱えていました。アルバイトを始めた彼が一番びっくりしたのは、日本人の仕事に対する勤勉さです。彼もみんなに認めてもらうために一生懸命働きました。でも、アルバイト先で使うことが一番多い言葉は「おはようございます」と「お疲れ様です」だそうです。もともと朗らかな性格で、日本でいっぱい友達を作ろうと張り切っていたが、キャンパスでもアルバイト先でも日本人のよそよそしい態度に接すると、なかなか近づけなかったそうです。

なぜ日本人との付き合いはこんなに距離を感じさせるのでしょうか。ある日、インターネットの国際交流の掲示板に自分の悩みを書き込んでみました。すると、ある日本人から返事がきました。

「日本人の先生があまり授業以外のことを話さないのは、教師と学生の立場を考えてのことかもしれません。先生はみんなの先生なので、特定の個人と親しくするのは、日本人の感覚ではやってはいけないことなのです。私も中国に1年ほどいましたが、中国人はとても人懐っこいというイメージを受けました。でもその人懐っこさが、逆に少し恐かった思い出もあります。日本人は急に仲良くなることに慣れてないので、そちらの先生も戸惑っているかもしれません」

その夜、ずっとそのことを考え続けました。中国人が中国人なりのやり方で日本人と付き合おうとすると、逆に日本人に迷惑をかけてしまうかもしれません。中国人には当たり前のことでも相手に「少し恐い」という印象を与えてしまうなんて、前には思いもつきませんでした。よく考えてみれば、それは国と国との間にカルチャーギャップがあるということです。要するに日本人と中国人のやっているスタイルが違うだけです。その是非を問うよりも、違いをお互いに認め合い、理解し合おうと努力することが大切なのではないでしょうか。

中国人は他人と短時間で仲良くなるのが得意かもしれないが、日本に行っても同じように付き合えると考えるのはよくないです。郷に入れば郷に従い、ゆっくり時間をかけて仲良くなっていく手順を学ぶ必要があるのです。これまでの私は日本の文化や習慣を無視して自分のやり方を相手に押し付け、勝手に失望して諦めるという、とんでもない間違いを犯していたのです。

語学をマスターするには、単に単語や文法を暗記することではなく、その言語を操っている人たちの背景にあるものを学ぶということです。両国のカルチャーギャップを融かすためには時間が必要です。日本文化を理解できる中国人と中国文化を理解できる日本人の間で、心を開き、力を尽して互いの理解を深め、多くの人が誤解なく交流できるように日中友好の橋を渡す努力をすることが重要だと思います。日本語を学ぶ者として、こうした草の根の働きをしたいと私は思っています。(編集/北田

※本文は、第十一回中国人の日本語作文コンクール受賞作品集「なんでそうなるの?中国の若者は日本のココが理解できない」(段躍中編、日本僑報社、2015年)より、王●博さん(遼寧大学)の作品「中国と日本における『心』の距離」を編集したものです。文中の表現は基本的に原文のまま記載しています。なお、作文は日本僑報社の許可を得て掲載しています。

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