日中現地調査受け「構造改革」の実態にメス=25日に『日中の地域経済開発に関する共同比較研究』報告会―帝京大と中国信息通信研究院

八牧浩行    2016年3月11日(金) 10時10分

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帝京大学と中国信息通信研究院(日本の経済産業省の研究機関に相当する組織)は、3年前から続けてきた「日中の地域経済開発に関する共同研究」の報告会を3月25日に帝京大霞が関キャンパスで開催する。写真は北京商務中心区。

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日本の帝京大学と中国信息通信研究院(日本の経済産業省の研究機関に近い組織)は、3年前から続けてきた「日中の地域経済開発に関する共同研究」の報告会を3月25日に帝京大霞が関キャンパスで開催する。

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帝京大と中国信息通信研究院信息与工業融和研究所は2013年から15年まで3年間にわたり、日中の地域経済開発に関する共同研究を実施。この成果を「日本・中国の地域経済開発に関する比較共同研究」としてまとめた。

日本側の中国現地調査は、経済発展の著しい河南省、湖北省、湖南省の中部地域。北京、天津、河北省の首都圏広域経済圏など。現地の企業や省、市などの担当者から直接話を聴き取った。

一方、中国の研究者は、自動車産業を中心とする浜松、名古屋などの中部経済圏のほか、日本経済の発展の歴史をたどる九州地区、最先端研究圏としてつくば市を現地調査した。さらに東京、川崎で、環境問題を如何に克服して都市工業地帯を形成したかなどを研究対象とした。

中国は、今年3月の全人代で、産業の構造改革を大胆に進めることを決定した。今回まとめられた日中共同研究報告では、中国の構造改革に関する実態解明が多くを占める。そこで、中国信息通信研究院と帝京大、財団法人構造調査支援機構が主催し、共同研究を集大成するシンポジウムを開催することになった。

日本側研究者代表の黒崎誠・帝京大経済学部教授は、「中国と日本では、地域経済構造の高度化という多くの共通課題を持ち、これまでの共同研究活動を通じてお互いに多くのことを学ぶことができた。ここでは、3年間の研究成果を報告、将来の展望を考えたい。中国の産業構造改革など今後の中国経済の動向を知る機会となると思う」と語っている。

開催要領は次の通り。主催者は「多くの方々の参加を!」と呼び掛けている。

◆日本・中国の地域経済開発の比較共同研究報告会

【日時】2016年3月25日(金)

13:30〜17:00シンポジウム

17:20〜18:30懇親会

【場所】帝京大学霞が関キャンパス東京都千代田区平河町2-16-1平河町森タワー9階

【参加費】無料

【プログラム】

☆13:30〜13:35 開会挨拶・帝京大学理事長冲永佳史

☆13:35〜13:40 共同研究代表者挨拶・中国信息通信研究院副院長張延川

☆13:40〜13:45 共同研究代表者挨拶・帝京大学経済学部地域経済学科教授黒崎誠

☆13:45〜14:15 (1)講演・朱金周中国信息通信研究院信息化与工業化融和研究所主任「中国地域経済開発と産業構造改革 日本産業立地の変化の経験を参考に」

☆14:15〜14:45 (2)報告・李賀中国信息通信研究院信息化与工業化融和研究所研究員「中国側研究成果の紹介」

☆15:00〜15:20 (3)講演・徳増秀博(日本立地センター専務理事)「日本と中国の産業立地政策の変遷」

☆15:20〜15:40 (4)講演・和田正武(三重県高度部材イノベーションセンター長・帝京大学名誉教授)「日中地域開発手法の比較−特に経済技術開発区、高新技術産業開発区を中心に」

☆15:40〜16:00 (5)講演・黒崎誠(帝京大学経済学部地域経済学科教授)「基礎産業構造転換の日中比較」

☆16:00〜16:20 (6)講演・金子弘道(帝京大学経済学部地域経済学科教授)「農村部の内発的発展の日中比較」

☆16:25〜16:55 パネルディスカッション・張延川・黒崎誠・和田正武

☆16:55〜17:00 閉会挨拶・廣田功(帝京大学経済学部長)

☆17:10〜18:00 懇親会(会場帝京大学霞が関キャンパスラウンジにて)

▼問い合わせ先:帝京大学経済学部・員要鋒研究室Tel/FAX=042-678-3357

八牧浩行

■筆者プロフィール:八牧浩行

1971年時事通信社入社。 編集局経済部記者、ロンドン特派員、経済部長、常務取締役編集局長等を歴任。この間、財界、大蔵省、日銀キャップを務めたほか、欧州、米国、アフリカ、中東、アジア諸国を取材。英国・サッチャー首相、中国・李鵬首相をはじめ多くの首脳と会見。東京都日中友好協会特任顧問。時事総合研究所客員研究員。著・共著に「中国危機ー巨大化するチャイナリスクに備えよ」「寡占支配」「外国為替ハンドブック」など。趣味はマラソン(フルマラソン12回完走=東京マラソン4回)、ヴァイオリン演奏。

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