ウクライナ大統領、ロシアを強く非難「ミンスク停戦合意守り、まず撤兵を!」=安倍首相にプーチン大統領への働きかけを期待―東京で会見

八牧浩行    2016年4月6日(水) 17時54分

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6日、ウクライナのポロシェンコ大統領が日本記者クラブで記者会見。「ロシアは今なおウクライナの一部地域を占領し続けており、国境地帯で今なお紛争が起きている。ロシアは「ミンスク停戦合意」の約束を履行していない、と強く非難した。写真は会見する同大統領。

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2016年4月6日、来日中のウクライナ共和国・ポロシェンコ大統領が日本記者クラブで会見した。2014年春にロシアがウクライナに侵攻し、クリミアや東部地域を占拠したことについて、「国際社会から様々な対露制裁が出されているにもかかわらず、ロシアは今なお占領し続け、軍隊数万人がウクライナに駐留。戦車や放射砲など多くの兵器が配備されている」と指摘。国境地帯では今なお紛争が起きており、ロシアは「ミンスク停戦合意」の約束を履行していない、と強く非難した。

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また「ロシアの軍事介入によってウクライナ兵士数千人が死亡し、1万人以上が負傷。約170万人が国内避難民となったまま。わが国は甚大な困難に見舞われている」と訴え、「ロシア側にすべての非がある」と強調。「侵攻したロシアはまず撤退せよ」と要求した。

その上で、「軍事・独裁国家のロシアの政策は従来と全く不変。武力によって国境を変更するようなことがあってはならない」と訴えた。

5月にも訪露する予定の安倍首相に期待したいことは、「(プーチン大統領に)ミンスク合意の約束を果たすよう働きかけること」。日本は欧米などと結束して対応してほしい、と求めた。

 

また、各国の首脳や著名人がタックスヘイブン(租税回避地)を利用している実態を暴露した通称「パナマ文書」にポロシェンコ大統領の名前が掲載されていることについて、「100%透明性があり、間違ったことはない」として関与の事実を否定した。同大統領は90年代に菓子メーカー「ロシェン」を創業して財を成し、「チョコレート王」の異名をとる。ニュース専門テレビ局・自動車メーカー・造船所なども所有し、ウクライナ有数の富豪と言われる。

パナマ文書にはこのほか、ロシアのプーチン大統領の友人、キャメロン英首相の亡き父、中国の習近平国家主席の親族、俳優のジャッキー・チェン氏ら世界の政治家や著名人の名前が並んでいる。(八牧浩行

■筆者プロフィール:八牧浩行

1971年時事通信社入社。 編集局経済部記者、ロンドン特派員、経済部長、常務取締役編集局長等を歴任。この間、財界、大蔵省、日銀キャップを務めたほか、欧州、米国、アフリカ、中東、アジア諸国を取材。英国・サッチャー首相、中国・李鵬首相をはじめ多くの首脳と会見。東京都日中友好協会特任顧問。時事総合研究所客員研究員。著・共著に「中国危機ー巨大化するチャイナリスクに備えよ」「寡占支配」「外国為替ハンドブック」など。趣味はマラソン(フルマラソン12回完走=東京マラソン4回)、ヴァイオリン演奏。

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