日本僑報社 2016年4月9日(土) 7時40分
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花見シーズンを迎え、多くの中国人観光客が日本を訪れている一方で、相変わらず指摘されているのがマナーの問題だ。東北師範大学の孫丹平さんは、自身の訪日体験から、中国人のマナーへの取り組みを提案している。
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私たち一行27人は、日中至誠基金会に招かれて日本へ行った。1週間滞在したが、その中でいろいろなことを体験した。
出発する前の日に、団長さんがいろいろなことを注意してくれた。例えば、人の前で髪の毛を整理してはだめだとか、食事をするときは料理人の気持ちを考えて残さず食べてくださいとかいうことだ。翌日、「中国人の名に恥じない振る舞いをするぞ」という覚悟を持って日本へ行った。
初日の朝、食堂へ行く途中で、知らない日本人から「おはようございます」と声をかけられてびっくりした。中国では知り合いの人だけに声をかけるからだ。それから、私は廊下で知らない人に会ってもあいさつするようになった。昼食や夕食はごちそうたっぷりだったが、私は生の魚を食べるのには慣れていなかった。しかし、団長さんの話をしっかり覚えていたから全部食べた。
観光バスを降りたとき、団長さんが深刻な顔をして「皆さん、何かを忘れたでしょう?ガイドさんと運転手さんにお礼を言いましたか」と言った。私は「あ、忘れてしまった」と思った。その後、みんな降りる前にガイドさんと運転手さんに丁寧に「ありがとうございました」と言うようになった。
今回の訪問では日本の大学生と交流する機会があった。最も印象的だったのはある学生が言った「日本人は中国人が好きではない」という言葉だ。そこで私は、日本人の目には中国人がどこでも痰を吐き、ごみのポイ捨てをする、民度が低い存在に見られていることが分かった。以前見たビデオの中では、多くの外国人は「中国人は親切で友達になりたい」と言っていたのに、日本人の中国人に対する印象はそんなにも悪いのだ。私は信じられず、インターネットで多くの記事を調べた。すると、パリで開業予定のホテルが「中国人はお断り」の方針を打ち出したことや、中国人が飛行機から救命胴衣を持ち帰ったことなどがわかった。このような記事を見て、私は恥ずかしくてたまらなかった。
また、もう一つのことを思い出した。私たち一行がちゃんとした格好をして列を作って静かに道を歩いたとき、日本人が「台湾人らしい」と言っていたことだ。この話を聞いた私は複雑な気持ちになった。台湾人も大陸人も中国人だ。なぜ「中国人らしい」と言わないのかと。それからの数日、重い気分で過ごした。
その後、浅草や秋葉原に行った。興奮してつい、大きい声でしゃべった中国人が数人いたが、隣の人に注意されたらすぐ黙った。そして、ごみをポイ捨てする中国人はほとんどいなかった。これはいいことだ。中国人は国際社会になじむために頑張っているのだ。
帰国後、私はいろいろ考えた。「礼儀の国」の国民として、また国際社会の一員として、公共マナーを守るためにいくつかのことをしなければならない。中国国家観光局が中国人の公共マナー向上のための「海外旅行の約束」を発表している。これはある程度効果がある。公共マナー教育も重視すべきだ。その中でも親の教育は一番重要だと思う。残念なことに、一部の親もあまりできていない。だから、今度はマスコミだ。悪い行為を指摘して批判したり、外国人の視点を報道したりした方がいい。メンツを大切にする中国人に、「中国人の顔をつぶすな」と注意すれば効果的だろう。
基本的なマナーを身につけた上で、「郷に入れば郷に従え」という原則に従って国際社会で活躍したいものである。(編集/北田)
※本文は、第十回中国人の日本語作文コンクール受賞作品集「『御宅』と呼ばれても」(段躍中編、日本僑報社、2014年)より、孫丹平さん(東北師範大学)の作品「公共マナーに頑張っている」を編集したものです。文中の表現は基本的に原文のまま記載しています。なお、作文は日本僑報社の許可を得て掲載しています。
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