オバマ米大統領が広島で被爆者に会えば、世界の核廃絶へ一歩近づく=「軍産複合体」が最大のカベ―前広島市長

八牧浩行    2016年5月24日(火) 9時10分

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秋葉忠敏・前広島市長が記者会見。オバマ米大統領がプラハ演説で謳った核廃絶を実現させるために、(1)「オバマ任せ」にせず、オバマ大統領を孤立化させないこと(2)最大のカベとなる「軍産複合体」に取り込まれないようにする―ことなど4点が重要だと強調した。

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オバマ米大統領の広島訪問を前に秋葉忠敏・前広島市長が日本記者クラブで会見し、「大統領には広島で被爆者と会い体験を聴いてもらいたい」と要望。オバマ大統領がプラハ演説で謳った核廃絶を実現させるために、(1)「オバマ任せ」にせず、オバマ大統領を孤立化させないこと(2)最大のカベとなる「軍産複合体」に取り込まれないようにする(3)強力な国際世論で核廃絶を推進する(4)リーダーとしてオバマ大統領を「活用」する―ことの4点が必要だと強調した。発言要旨は次の通り。

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広島にオバマ大統領が訪問し献花することは、広島市長時代の願いだった。オバマ氏は2009年のプラハ演説で核なき世界を目指し、そのためのリーダーになると宣言。その上で「核兵器を使った唯一の核保有国」「道義的な責任がある」「私が生きている間に」―の3つのキーワードを表明した。広島・長崎への思いを率直に語ったものでこの言葉は重い。

アイスランドのレイキャビクで1986年10月にレーガン米大統領とゴルバチョフソ連書記長(いずれも当時)が、核軍縮で合意したものの、結局形骸化した事実から教訓を学ばなければならない。(1)「オバマ任せ」にせず、オバマ大統領を孤立化させないこと(2)最大のカベとなる「軍産複合体」に取り込まれないようにする(3)強力な国際世論で核廃絶を推進する(4)リーダーとしてオバマ大統領を「活用」する―ことの4点が必要だと強調した。

プラハ演説によって、被爆者の間でオバマ大統領に対する期待が高まった。オバマ大統領には広島で被爆者と会い体験を聴いてもらいたい。時間がないと釈明しているようだが、自衛官や米兵と会う時間を削れば可能だ。「謝罪」と受け止められるとの懸念もあるようだが、被爆体験を聴く15分間を、複数のテレビ局に同時中継してもらうことでもいい。

オバマ氏の広島訪問を報道するマスコミを通じて「ヒロシマの心」が世界に届き、核保9カ国による核拡散防止条約(NPT)第6条遵守会議を開催につながればいい。大統領の任期中に長崎にも行ってほしい。(八牧浩行

■筆者プロフィール:八牧浩行

1971年時事通信社入社。 編集局経済部記者、ロンドン特派員、経済部長、常務取締役編集局長等を歴任。この間、財界、大蔵省、日銀キャップを務めたほか、欧州、米国、アフリカ、中東、アジア諸国を取材。英国・サッチャー首相、中国・李鵬首相をはじめ多くの首脳と会見。東京都日中友好協会特任顧問。時事総合研究所客員研究員。著・共著に「中国危機ー巨大化するチャイナリスクに備えよ」「寡占支配」「外国為替ハンドブック」など。趣味はマラソン(フルマラソン12回完走=東京マラソン4回)、ヴァイオリン演奏。

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