人民網日本語版 2016年5月26日(木) 20時10分
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中国社会科学院日本研究所と全国日本経済学会が編集し、社会科学文献出版社が発行した「日本経済青書:日本経済と日中貿易関係研究報告(2016年)」が24日、正式に発表された。
中国社会科学院日本研究所と全国日本経済学会が編集し、社会科学文献出版社が発行した「日本経済青書:日本経済と日中貿易関係研究報告(2016年)」が24日、正式に発表された。それによると、2016年の日中貿易額は前年に続いて減少傾向を維持する見込みだ。中国からの輸入が中国への輸出を上回る状況は変わらず、日本の対中貿易は5年連続の赤字になる可能性が大きいという。経済参考報が伝えた。
同青書の編集長を務めた同研究所の張季風所長補佐の説明によると、「2015年は日本経済が大きく揺れ動き、困難に陥った年だった。世界経済の下ぶれとアベノミクスの効果が薄れたことが作用しあい、実質国内総生産(GDP)成長率は年初は高く徐々に低下し、第2四半期(4-6月)と第4四半期(10-12月)はマイナス成長に陥り、通年でもわずか0.4%の微々たる成長にとどまった。デフレは続き、消費は落ち込み、設備投資は低迷し、賃金上昇は物価上昇に追いつかず、経済は各種の難題が山積していた。安倍政権が消費税率の再引き上げの時期を2017年4月に先送りしたことに加え、2年続けて成長率が低かったため、16年の経済成長には一定の揺り戻しが起きるとみられる。だが消費、投資、輸出という経済を支える『トロイカ』が疾走することは難しく、今後の見通しは楽観的とはいえない」という。
また張所長補佐は、「日中経済関係からみると、世界経済や中国経済の減速などの原因により、15年の日中二国間貿易は大幅なマイナス成長となり、二国間の相互の直接投資もまれに見る大幅な低下傾向を示し、二国間の財政金融協力は停滞状況にとどまり、日中韓自由貿易協定(FTA)には実質的な進展がなかった」と話す。
同青書は、今年の日本の対中輸出には3つの特徴がみられると予想する。第1に、電気機械分野で、日本製品の性能の向上にともない、単位製品あたりの部品数の増加と価格の上昇に一定のニーズが生まれる。第2に、一般の機関分野で、高い割合を占める多工程デジタル自動制御工作機械などのスマートフォン製造の関連設備に14年ほどの特需は起きないが、スマートフォン新機種の導入時にはニーズが生まれる。また中国には工場の自動化・省力化推進の要求があり、工作機械へのニーズは引き続き堅調で、外部からの輸入が必要とされる。第3に、日本は化学製品と鉄鋼などの原料となる製品の分野で輸出が引き続き減少傾向を示すことになる。
同青書は、対中輸入にも3つの特徴がみられると予想する。第1に、衣類・付属品類製品は、中国の人件費上昇にともなって出現した賃金水準の低い国への生産移転傾向にさらに拍車がかかり、中国からの輸出が前年に続いて減少傾向をみせる。第2に、15年に14年の特需が消滅して輸入が大幅に減少した太陽光電池、ノートパソコンやタブレット型端末といったモバイル自動データ処理機械は、輸入ニーズが15年に比べて回復する。第3に、化学製品と鉄鋼などの原料となる製品は、原油価格の低下や中国経済の成長鈍化などによって低下した輸入価格が急速に反転上昇することは期待できず、輸入額の伸びを促進する要因になることは難しい。(提供/人民網日本語版・編集/KS)
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