Record China 2008年1月2日(水) 20時30分
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「南海1号」の引き揚げ成功には、世界的な海洋トレジャーハンター、マイケル・ハッチャー氏に味わらされた苦い経験が影響しているという。写真は「南海1号」の「海のシルクロード博物館」内の巨大プールへの移転記念式典。
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2008年1月1日、昨年末、海底から無事引き揚げられ、大きな話題を呼んだ「南海1号」。しかし、実はこの成功の裏には止むに止まれぬ事情があったという。その事情とは、世界的な海洋トレジャーハンター、マイケル・ハッチャー氏から海底に沈んだ中国の財宝を守るべく立ち上がらずを得なかった中国考古学界の姿が浮かんでくるという。「中青在線」が伝えた。
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沈没した軍艦や商船を引き揚げ、積荷の金属やゴムなどを売買する商売を経営していたマイケル・ハッチャー氏は、ある時偶然に中国明代(1368〜1644年)の沈没船を引き揚げ、積荷の陶器などを収集家に売り大もうけした。ハッチャー氏は、これをきっかけに商売の方向を転換、もっぱら沈没したお宝船の捜索、引き揚げに従事し、現在「世界で最も有能な海洋探検家」「最も成功したトレジャーハンター」と呼ばれている。
1984年、ハッチャー氏は1752年に沈没したオランダ商船「ヘルダーマンセン号」の引き揚げに成功、約24万点の青花と126点の金の延べ棒などを回収。これらの陶器などが86年にアムステルダムで開催されたクリスティーズオークションで競売にかけられた。しかし、当時の世界各国の海洋法や中国の法律ではこれを阻止することは出来ず、また当時の中国には資金もなく、次々と競り落とされる陶器類をただ横目で見ているほかなかったという。
さらにハッチャー氏は、99年に清代(1644年〜1912年)の沈没船「テクシン号」を発見、100万点以上引き揚げられた貴重な中国製磁器の中から、希少価値を高めるため36万5000点だけを残し残りをすべて廃棄、オークションで3000万ドルもの収入を得たという。
度重なる財宝の流失を知りながら、政府が沈没船引き揚げ事業に手をつけなければ損失はさらに広がるばかり…こうした止むに止まれぬ事情が今回の「南海1号」の引き上げ成功につながっているという。(翻訳・編集/HA)
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