<南シナ海問題>中米両国、「新型大国関係」に基づき、リスク回避と互恵協力に向け交渉している―駐日中国公使

八牧浩行    2016年7月28日(木) 18時30分

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駐日中国大使館の薛剣・公使が記者会見。南シナ海を巡り、米国との間でパワーゲームが行われているのではないか、との見方に対し「複雑な情勢下で、両国がリスクを避け、コントロールする必要があり、中米双方はこの問題について交渉を進めている」と明かした。

2016年7月28日、駐日中国大使館の薛剣・公使が記者会見し、南シナ海を巡り、米国との間でパワーゲームが行われているのではないか、との見方に対し、「米国とは数年前から新型大国関係をつくることを協議している。争わず、対抗せず、互恵協力してウインウインの関係を築こうとしている」と指摘。その上で「複雑な情勢下で、両国がリスクを避け、コントロールする必要があり、中米双方はこの問題について交渉を進めている。米国は域外国で当事国ではないので複雑化しないよう求めている」と明かした。

南シナ海の帰属を巡る仲裁裁判の採決後、フィリピンとの関係について「2国間の問題であり、両国間の交渉により平和的に解決するようにしたい。フィリピンとは採決を前提としない形で対話していく」と語った。

また、中国を訪問中の日中交流団体の男性が中国当局によって身柄を拘束されたことについて「詳しい情報は把握していない」とした上で、「どの国の民衆でも外国に行ったらその国のルールを守るのが一般的だ」と述べ、法律違反があったとの認識を示した。(八牧浩行

■筆者プロフィール:八牧浩行

1971年時事通信社入社。 編集局経済部記者、ロンドン特派員、経済部長、常務取締役編集局長等を歴任。この間、財界、大蔵省、日銀キャップを務めたほか、欧州、米国、アフリカ、中東、アジア諸国を取材。英国・サッチャー首相、中国・李鵬首相をはじめ多くの首脳と会見。東京都日中友好協会特任顧問。時事総合研究所客員研究員。著・共著に「中国危機ー巨大化するチャイナリスクに備えよ」「寡占支配」「外国為替ハンドブック」など。趣味はマラソン(フルマラソン12回完走=東京マラソン4回)、ヴァイオリン演奏。

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