「日本人を助けるなんて、それでも中国人か?」=店員に怒鳴られた私が今、思うこと―中国人学生

日本僑報社    2016年8月27日(土) 7時50分

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日本語を学び、日中友好を願う中国人学生は、時にさまざまな逆風に直面することがある。国際関係学院の暁蘭さんは、日本人留学生と接する中で感じた交流のあり方について、作文につづっている。写真は紅橋市場。

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日本語を学び、日中友好を願う中国人学生は、時にさまざまな逆風に直面することがある。国際関係学院の暁蘭さんは、街中で日本に反感を抱く人と出会った時のこと、そして日本人留学生と接する中で感じた交流のあり方について、作文に次のようにつづっている。

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「日本人を助けるなんて、あんたは中国人か?」。お土産物屋の店員から怒鳴られた。外国人向けお土産物市場、紅橋市場でのことだ。

2014年8月の夏、私は北京大学の短期留学生のアテンドとして、そこにいた。法外な値段なので別の店に行こうと、留学生の北崎さんに提言した時のことだった。私こそ、その人に言いたかった。「あなたみたいな悪徳商人がいるから、中国人の評判が下がるんだ」。私はこの留学生のアテンドの役目を一生懸命やっていた。留学生の皆さんにいい思い出を持ち帰ってほしいと思っていたからだ。そんな私の努力をこんな人たちに潰されたくなかった。

「中国人は13億ページの本だ。この本を読み切るのは不可能、5、6ページで、13億ページの本全体が評価される」。だから、自分がその1ページなら、精一杯、魅力的な1ページでありたい。

留学生の一人、佐野さんは、「ウェイボー」でこうつぶやいた。「○○人だから、と一括りにして批判するあなたは日本人だけど、それをそのまま当てはめると日本人は国籍で判断する保守的で狭小な考えの持ち主だってことになるね。私の友達がこういう考えだからつらい」。

さらに、高柳さんはこう言った。「来中以前は、好きではなかったけれど、中国に来て、いればいるほど好きになる。だから、日本が嫌いな中国人にも日本に行ってほしい。それでも、日本が嫌いなら、もう何にも言わない」。私はこの2人の言葉に心から共感する。

しかし、そう考えられる人は多数派ではない。2012年11月、日中関係が最悪のころ、タクシーに乗ったら、運転手さんから言われた。「憎らしい日本人の言葉を勉強するなんて…」。私は理由を話したが、運転手さんには無視された。日本人の友達によると、日本のマスコミは中国のマイナス面を報道する傾向があり、それだけで中国に嫌悪感を持つ日本人がいるという。つまり、先入観だけで相手を毛嫌いする中国人、日本人は少なくない。

どうやったらこういう人たちに分かってもらえるのか。繰り返し考えて、気がついた。これは日本人、中国人の問題ではない。私も彼らのことを理解しなかった。店員だって1元だって多く稼ぎたいだろうし、運転手さんにも日本嫌いになる理由があったのかもしれない。そうか、人を理解することは難しいんだ。

確かに人の考えを変えることは難しい。しかし、自分は変わることができる。なら、私が変わろう。次回、運転手さんに無視されたら、私は相手を認める。「日本が嫌いなんですね」。そして聞こう。「どうしてですか」。私から先に相手の言葉を聞いたら、私の願いも聞いてもらえるかもしれない。私の「友達である日本をもっと知ってほしい」という願いを。

青年交流とはいったい何だろう。交流会で意見を交わすことだけではないだろう。自国でも、外国でも、違った考えを持つ人との交流はある。大切なのは、すぐ「嫌い」と判断しない、交流を放棄しないことだ。先入観を捨てて、好奇心を持ち、未知の世界を探索し、自分と違うものを理解する。こういう青年が多ければ多いほど、私たちは互いに理解し合え、政治に揺れなくなるだろう。少なくとも私はそうでありたい。(編集/北田

※本文は、第十一回中国人の日本語作文コンクール受賞作品集「なんでそうなるの?中国の若者は日本のココが理解できない」(段躍中編、日本僑報社、2015年)より、羅暁蘭さん(国際関係学院)の作品「政治関係に影響されぬ中日友好へ」を編集したものです。文中の表現は基本的に原文のまま記載しています。なお、作文は日本僑報社の許可を得て掲載しています。

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