八牧浩行 2016年9月18日(日) 10時0分
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米国の現代政治に詳しい前嶋和弘上智大学教授が日本記者クラブで講演し、米国大統領選について、組織力と資金力があるヒラリー・クリントン候補が有利との見解を明らかにした。
2016年9月9日、米国の現代政治に詳しい前嶋和弘上智大学教授が日本記者クラブで講演し、トランプについて、組織力と資金力があるヒラリー・クリントン候補が有利との見解を明らかにした。
予備選の投票率は数%から30%なので、トランプ候補は「怒り(勢い)」だけで勝利することができた。本選の投票率は60%に達するので、もっと大きな支持が必要となる。組織力、資金力ともにクリントン候補が大きくリードしており、陣営で働いている支援者数は10対1の差がある。最終的に激戦区での戸別訪問が重要な要素になるが、組織力と資金が決め手となる。この点でトランプ候補は劣勢を強いられる。
クリントン候補にも健康問題や「ビル・ヒラリー・チェルシー・クリントン」財団問題、Eメール問題などマイナス要素があるものの、クリントン候補の有利は動かない。
トランプ氏は本来、第3政党の候補になるはずだったが、共和党候補として出馬し、泡沫候補と言われながら、最終的に同党を乗っ取ることに成功した。米国では2大政党制が確立されているため、第3政党候補が大統領になるのは極めて難しい。2大政党の候補者として出馬し、国民の支持を集めて結果的に既成政党を変質させていく傾向が強まっている。(八牧浩行)
■筆者プロフィール:八牧浩行
1971年時事通信社入社。 編集局経済部記者、ロンドン特派員、経済部長、常務取締役編集局長等を歴任。この間、財界、大蔵省、日銀キャップを務めたほか、欧州、米国、アフリカ、中東、アジア諸国を取材。英国・サッチャー首相、中国・李鵬首相をはじめ多くの首脳と会見。東京都日中友好協会特任顧問。時事総合研究所客員研究員。著・共著に「中国危機ー巨大化するチャイナリスクに備えよ」「寡占支配」「外国為替ハンドブック」など。趣味はマラソン(フルマラソン12回完走=東京マラソン4回)、ヴァイオリン演奏。
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