八牧浩行 2016年10月5日(水) 5時0分
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元海上自衛隊海将、元護衛艦隊司令官の金田秀昭・岡崎研究所理事が、北朝鮮のミサイル開発、中国の軍事技術の進展や日本の防衛政策について、このほど日本記者クラブで講演。「中国の最近の軍事力向上は脅威的だ」と強調した。
2016年10月5日、元海上自衛隊海将、元護衛艦隊司令官の金田秀昭・岡崎研究所理事が、北朝鮮のミサイル開発、中国の軍事技術の進展や日本の防衛政策について、このほど日本記者クラブで講演した。「中国の最近の軍事力向上は脅威的だ」と強調。弾道・巡航ミサイルが質量ともに増強されつつあるほか、長距離ステルス戦略爆撃機も初めて保有するに至った、と明かした。発言要旨は次の通り。
短期的な脅威としては、瀬戸際外交を背景とした核実験、ミサイル発射など北朝鮮の行動が際立っている。まずノドンを日本に向かって1993年に発射。日本海西部に落ち死者も出した。98年にはテポドン2号を発射。かつては発射前に周辺国に通告していたが最近通告しなくなった。2012年には失敗したが、今年1月に水爆実験を実施。中長射程のミサイルを続けて発射した。
日本は防空ミサイル総合防衛構想を実現しなければならない。弾道ミサイル迎撃には、イージス艦とパックス3という2段構えできちんと対応するが、打ち損じもあり得る。
日本にとって短中期的な脅威は中国であり、最近覇権的な構想が目立つ。弾道・巡航ミサイル、航空機潜水艦などの近代化が進展、一般防衛装備も増強されている。
今年米国防省リポートによると、中国の弾道・巡航ミサイルが質量ともに飛躍的に拡充され、宇宙空間における軍事力も向上している。長距離ステルス戦略爆撃機は、しばらく持てないと思われていたが既に保有している。近代化さたH18、H6という航空機を持ち、ミサイルを撃つこともできる。
中国の弾道・巡航ミサイルは質量ともに圧倒的で、比較にならないほど大規模だ。台湾の対岸には短距離弾道ミサイルが千何百発も存在する。一部は沖縄に向き、BF21 は150発ぐらいあり嘉手納基地も到達範囲となる。2013年の防衛大綱には、中国の脅威への対抗策がかなり具体的に書かれている。日米同盟を堅持し、「接近阻止領域圏」を設け、日米で対応すべきである。(八牧浩行)
■筆者プロフィール:八牧浩行
1971年時事通信社入社。 編集局経済部記者、ロンドン特派員、経済部長、常務取締役編集局長等を歴任。この間、財界、大蔵省、日銀キャップを務めたほか、欧州、米国、アフリカ、中東、アジア諸国を取材。英国・サッチャー首相、中国・李鵬首相をはじめ多くの首脳と会見。東京都日中友好協会特任顧問。時事総合研究所客員研究員。著・共著に「中国危機ー巨大化するチャイナリスクに備えよ」「寡占支配」「外国為替ハンドブック」など。趣味はマラソン(フルマラソン12回完走=東京マラソン4回)、ヴァイオリン演奏。
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