<コラム>「中国人によく接する日本人」が感じた中国人の変化=中国高官の娘は日本で引きこもりゲーム三昧

浦上 早苗    2016年10月8日(土) 13時50分

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先週末、大阪に宿泊した際、ホテル近くの大阪城でポケモンがたくさんとれると聞き、朝からスマホを持って捕獲に出かけた。写真は大阪城。筆者撮影。

先週末、大阪に宿泊した際、ホテル近くの大阪城でポケモンがたくさんとれると聞き、朝からスマホを持って捕獲に出かけた。

しかし大阪城に一歩足を踏み入れると、そこはポケモンではなく中国人観光客であふれかえっており、今が国慶節(建国記念日)期間であることを思い出した。

中国の関税の引き上げや景気減速、そして円高で、中国人の爆買いは急失速したと言われている。しかし中国人の海外旅行ブームそのものは、ブームを超えて定着しつつあり、そして国内景気の低迷で、近場の海外を選ぶ人が増えていることから、日本への旅行者そのものは、今後も増え続けると見られる。

大阪城では無料のコスプレ写真撮影サービスが行われており、中国人の列ができていた。旅行者が増えて情報が増えると、滞在のオプションも多様化するのだろう。

大阪で会った友人たちとは、「接している中国人の変化」が話題になった。中国人留学生を受け入れている専門学校の教員は、こんな話をしていた。

10年くらい前まで、最大の問題は学費を払えない中国人留学生が続出することだった。今はその心配は少なくなったが、代わりに学校に来ない学生への対応に追われている。日本語の授業で、「道路で困っている人がいました。何と声をかけますか」と質問したところ、どう見ても金持ちの息子である中国人が「お金はいりますか?」と答えたそうだ。

入管関係の業務が多い行政書士は、中国の高官の娘に手を焼いていた。日本に留学したものの、引きこもってゲーム漬けの生活を送っており、学校の出席日数が足りないため、このままでは強制送還になる。自分の出世に影響が及ぶことを懸念した高官が、その行政書士に「穏便な帰国」の手続きを依頼してきたという。

その女子留学生の2LDKのマンションに行ってみると、複数の同居人がいたという。彼女は年に1000万円近い仕送りを受けており、使いきれないお金で友人たちの学費や生活費を払っているうちに、ついには友人たちがアパートを解約して、住み着いたという。

行政書士に頼まれて、引っ越しを手伝った日本人女性は、かつて中国の日系企業に勤めていたが、その会社が中国企業に買収され、他の日本人が辞めていく中、唯一の日本人社員になった。中国語堪能な彼女は日本に転勤となり、会社幹部の家族が日本に旅行に来るたび、京都やUSJ、免税店に連れていくのが今の主な仕事だという。

■筆者プロフィール:浦上早苗

大卒後、地方新聞社に12年半勤務。国費留学生として中国・大連に留学し、少数民族中心の大学で日本語講師に。並行して、中国語、英語のメディア・ニュース翻訳に従事。日本人役としての映画出演やマナー講師の経験も持つ。

■筆者プロフィール:浦上 早苗

1974年生まれ、福岡市出身。早稲田大学政治経済学部卒業、九州大学大学院経済学府修了。大卒後、地方新聞社に12年半勤務。その後息子を連れ、国費留学生として大連に博士課程留学…するも、修了の見通しが立たず、少数民族中心の大学で日本語講師に。並行して、中国語、英語のニュース翻訳に従事。頼まれて映画に日本人役として出たり、マナー講師をしてみたり、中国人社会の中で、「日本人ならできるだろ」という無茶な依頼に、怒ったりあきれたりしながら付き合っています。マスコミ業界の片隅に身を置いている経験から、日米中のマスから見た中国社会と、私の小さな目から見たそれの違いを少しでもお伝えできれば幸いです。

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