日中韓FTA交渉、相互信頼欠如で見通しは楽観できず―中国メディア

人民網日本語版    2016年10月13日(木) 18時50分

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中国の商務部(商務省)国際貿易経済協力研究院がこのほど発表した文章によると、中国、日本、韓国の自由貿易協定(FTA)交渉が長期にわたり続けられているが、その過程は決して順調とはいえない。

中国の商務部(商務省)国際貿易経済協力研究院がこのほど発表した文章によると、中国、日本、韓国の自由貿易協定(FTA)交渉が長期にわたり続けられているが、その過程は決して順調とはいえない。交渉の難しい点は技術的側面にあるのではなく、政治的側面にこそある。農産品交渉などは長期的にみれば技術的な障害に過ぎないが、主導権の問題、地域外の要因、歴史問題、地域の安全保障の問題などは、交渉を困難で複雑なものにする。人民網が伝えた。

文章によると、3カ国の間で政治的な相互信頼関係を構築することができなければ、交渉が期待されたような進展を遂げることは難しい。これは日中韓FTA交渉が長年にわたり断続的に続けられながら、いかなる合意にも到達できていないことの主な原因だ。長期的にみて、日中韓FTAを前進し発展させるには、2つの障害を克服し超越しなければならない。

第1の障害は相互信頼関係の欠如だ。経済発展の中核的要因は市場パワーだが、国と国との経済関係が政治関係と切り離せないことは認めないわけにはいかない。歴史問題、領土問題が今なお日中韓協力を阻む最も主要かつ最も重要な問題だ。3カ国がお互いに信頼を積み上げて一定のレベルまで到達しなければ、FTAが水の流れるように自然に成立することなどあり得ない。

第2の障害は敏感な問題を抱えた分野の開放だ。日中韓は発展レベルと利益の追求で大きな開きがある。具体的にいえば、日本の敏感な産業は農業、鉄鋼産業、エネルギー産業、造船業であり、韓国は農業・水産業、エネルギー産業、衣類・繊維産業などの加工業だ。中国は化学工業、自動車産業、電子情報産業、機械設備産業、金融業、小売業、先端設備製造業、輸送設備産業などが敏感な産業だ。なかでも農業という要因が日中韓FTA交渉の一番の難問になっている。

文章によると、日中韓FTAは未来を視野に入れた戦略的措置であり、アジア地域の経済一体化という大きな流れの中のごく自然な成り行きであり、理解と協力こそが3カ国が今後の交渉を順調に進める上での基礎になる。協力を願わないなら、どこかの国が協力を拒否するなら、日中韓FTAはどうあっても建設できない。無理矢理建設しても、機能と影響力は不十分なものになる。全体としていえることは、現在進められている日中韓FTA交渉にはよいタイミングが訪れておらず、今後の見通しは楽観的でないということだ。(提供/人民網日本語版・編集/KS)

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