軍事協定をスピード締結、中国メディアが見る「日韓関係の行方」は?

人民網日本語版    2016年11月30日(水) 1時10分

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韓国・聯合ニュースによると、日韓両国は23日に軍事情報保護協定を正式に締結した。軍事協力の一層の深化への大きな一歩となるものだ。

韓国・聯合ニュースによると、日韓両国は23日に軍事情報保護協定を正式に締結した。軍事協力の一層の深化への大きな一歩となるものだ。協定に基づき、日韓は北朝鮮の核・ミサイル情報を共有し、北朝鮮の核・ミサイルの脅威への対処において軍事協力を強化できる。(文:劉林卿。人民日報海外版掲載)。

■韓国内の不満

英BBCの報道によると、日韓両政府は14日に協定に仮調印した。23日の正式調印によって、同協定は両国が第2次大戦後初めて調印した軍事協力協定となった。日韓「軍事情報保護協定(GSOMIA)」は1945年に韓国が日本の植民地支配から解放された(光復)後の初の軍事協定であり、重大な象徴的意義を持つ。

韓国国防省によると、同協定によって韓国は日本の進んだ情報収集設備を利用できるようになる。だが韓国の国民は強く反対し、メディアは懸念している。韓国の世論調査期間ギャラップ韓国が18日発表した、韓国国民1007人を対象にした調査によると59%の回答者が「侵略の歴史を反省しない日本と軍事協力は強化できない」との理由で、「軍事情報保護協定」調印に反対し、協定調印賛成はわずか31%で、残る10%は態度を保留した。「戦争反対平和実現国民行動」など11の市民団体が23日に韓国国防省前で抗議し、日韓「軍事情報保護協定」調印に反対するとともに、朴槿恵大統領の退陣を求めた。

■軽視できない親日勢力

「韓国国民の反対の声は強いが、実は韓国内には日本問題においてやはり分裂がある。韓国内には親日と反日の両勢力があり、親日勢力は軽視できない。日韓軍事同盟の強化には一定規模の支持勢力がある」と、中国社会科学院アジア太平洋・グローバル戦略研究院の董向栄研究員は語る。韓国メディアは、日増しに増加する朝鮮の核・ミサイルの脅威が日韓「軍事情報保護協定」調印に決定的役割を果たしたと指摘する。日本の岸田文雄外相は23日、宮城県松島町で「朝鮮の核とミサイルはこれまでよりずっと脅威になっている。日韓間の順調で速やかな情報交換に期待する」と述べた。

日本は地理的に朝鮮に近い韓国からのレーダー偵察情報などを期待している。「日韓関係は最近大きく改善した。両国は慰安婦問題で賠償合意をし、日本は韓国との関係改善に大きく譲歩した」と中国政法大学東アジア研究センターの孫承センター長は語る。

また「これは日米韓同盟強化に必要なことでもある。日韓両国との関係を近づけることは、米国、特にオバマ政権が強く望んでいたことだ」と董氏は語る。BBCによると、日韓が10月に「軍事情報保護協定」交渉再開を発表すると、米国防総省は歓迎を表明し、東アジアにおける両同盟国との協力強化に資するものだとした。

■日韓関係の行方

韓国聯合ニュースによると、日韓は「軍事情報保護協定」を出発点に軍事協力を多方面で強化し、「物品役務相互提供協定」に調印する可能性もある。だが韓国政府が大統領の腹心のスキャンダルで大騒ぎとなる中、協定調印に必要な手続きを急ぐのは困難であり、日韓軍事協力のプロセスはそれほど順調にはいかないと考えられる。

プロセスは順調でなくとも、日韓両国関係の行方は依然注目される。孫氏は「日韓関係は一層発展する可能性が完全にある」とする。日韓は北東アジア地域における米国の主要な同盟国であり「日韓のこうした関係が強化されれば、日米韓同盟の関係も一層強化される」と董氏は語る。

日米韓同盟が強化されれば、北東アジア地域にも影響がある。「第2次大戦終結後、北東アジアは『冷戦の生きた化石』の状態にあった。日米韓同盟の強化は、日米韓と中露朝の二大陣営の対立を激化し、地域の平和と安定にマイナスだ」と董氏は自らの観点を述べる。だが孫氏は「日韓の協力関係が一体どこまで行くのかを見る必要がある」と指摘する。(提供/人民網日本語版・編集NA)

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