Record China 2008年2月19日(火) 17時12分
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2月18日の報道によると、世界遺産の敦煌莫高窟保護のため、崩落の可能性の高い場所には観光客の出入りを制限し、デジタル映像を見せるバーチャル博物館化することで代替する案が政府レベルで承認された。
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2008年2月18日、中国新聞網の報道によると、かねて検討されていた敦煌莫高窟の保護プロジェクトが政府レベルで承認された。1950年代以降、保護工事は6回行われているが、今回のプロジェクトの総費用は2.61億元(約39億円)と過去最高。現在も進んでいる破損や崩落など遺跡全体の劣化を少しでも食い止めるのが狙いだ。
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具体的には、文物保護施設の設置、洞窟の崩落防止と桟道の強化、砂害や風害への対策などだが、今回もうひとつ重要な柱となっているのが、莫高窟の文物のデジタル化。これまでも観光客の出入りが原因と見られる石窟の破損もあり、観光と保護の両立は関係者にとって頭の痛い問題だった。
そこで莫高窟をデジタル映像に置き換えて、バーチャルな博物館化し、特に保護の必要な現場は観光客の立ち入りを制限するという案が浮かんだ。敦煌研究者も「デジタル化が成功すれば、観光客が原因の破損などはなくなり、保護と利用が含む矛盾を根本的に解決できそうだ」と期待を寄せる。
莫高窟の歴史的な芸術作品の数々をデジタル映像化し、敦煌の歴史、地理、仏教文化や石窟芸術を後世に残すことは「大きな意義がある」と評価する向きが多い。しかし一方で、世界中の一般観光客を実物を鑑賞できる現場から事実上締め出すことになりかねないやり方には異論も出ることも予想される。
莫高窟は現在、735の洞窟があり、彫刻が2000以上、壁画は4万5千平方メートルに及ぶ。1000年以上の長い月日をかけて作られたこの遺跡は1987年に世界遺産に登録されている。(翻訳・編集/小坂)
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