「居眠り文化」は日本人の勤勉さの象徴―米メディア

人民網日本語版    2016年12月25日(日) 14時40分

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普通の国なら、仕事中に居眠りすると、他の人から指を指されるだけでなく、首になる可能性さえあるものだ。資料写真。

普通の国なら、仕事中に居眠りすると、他の人から指を指されるだけでなく、首になる可能性さえあるものだ。しかし、日本では、オフィスで居眠りをしている人をよく見かけ、それが文化的に受け入れられているだけでなく、「仕事で疲れてるんだ」と、一生懸命働いていることの証とさえ見られている。参考消息がニューヨークタイムズの報道を引用して報じた。

日本語の居眠りは、他の言語では「仕事中に寝る」と翻訳されることが多い。しかし、ケンブリッジ大学東アジア研究所で文化人類学を研究しているブリギッテ・ シテーガ准教授は、著書「世界が認めたニッポンの居眠り」の中で、「『その場で寝る』と訳したほうが正しい」としている。

シテーガ准教授は、「その場で寝る」と訳したほうが、日本人の時間に対する見方をよく表していると説明する。日本では、集中度は下がるものの、何かをしながら、別のことをすることも可能と考えられている。そのため、つまらない営業会議に参加しながら、海辺でバケーションを過ごしているところを妄想するというのも受け入れられている。

シテーガ准教授は、「居眠りは、ハイエンドホワイトカラーがよくしている」と指摘。一般従業員は、活力に満ちていると周りに見られるよう、一日中しっかり目を覚ましていなければならず、生産ラインで働いている労働者も居眠りをしている暇はない。

また、シテーガ准教授は、「男女とも居眠りが好きだが、居眠りすると、女性のほうが叱責されやすい。特に、ウトウトすることが体裁が悪いことと見られているポストの場合そう言える」と続けた。

居眠りは日本で少なくとも1000年は存在しており、それは職場に限られるわけではない。百貨店や喫茶店、レストラン、ひいてはにぎやかな歩道でも温かく快適な場所があれば、ウトウトしている人がいる。

日本では、公共の場で、例えば通勤中の列車内で居眠りをしている人をよく見かける。どんなに混雑していても、そこが「寝室」となれる。これが日本の犯罪率が非常に低いことにもつながっている。

ハーバード大学のテオドル・ベスター社会人類学教授は、「列車で寝ても、強盗に遭う確率は低い」との見方を示す。

ソーシャルシチュエーションでウトウトしていると、他の人から称賛されることさえある。シテーガ准教授によると、「ある時、家族でレストランで食事をしている時に、ある女性の男性の同僚がテーブルにうつ伏して寝ていた。他の客は、『ジェントルマン』と称賛していた。なぜなら、先にその場を離れるのではなく、その場で休んでいたからだ」という。

公の場でウトウトしている人が多い理由の一つは、家で寝る時間が少ないからだ。2015年の日本政府の調査によると、日本の成人の39.5%が、1日の睡眠時間が6時間以下だという。

居眠りのルールは「場所を占領せず、他の人の邪魔にならないこと」とベスター教授。

また、ベスター教授は、「会議室のテーブルの下で寝転んだり、列車などで席に寝転んだり、公園のベンチで寝転んだりすると、他の人の迷惑になるため、非難の的になってしまう」と指摘した。

シテーガ准教授によると、「目を閉じていても、必ず寝ているわけではなく、プライバシーのない公の場で、自分だけの世界を作っている場合もある」という。

また、シテーガ准教授は、「これも、日本で居眠りが少しずつ減っている原因の一つ。今は、スマホがあるため、目を開けていても、自分だけの世界に入ることができる」との見方を示した。(提供/人民網日本語版・編集KN)

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