2016年12月26日、英BBCは、中国で日本のアニメが大人気になる理由について考察している。

アニメ映画「君の名は。」は中国でも大ヒットを記録。興行収入は日本アニメ映画史上最高を記録した。記事は、「ハリウッド作品のようにスターが出演しているわけでも、驚くような特殊な技術もないのに、なぜこれほどまでにヒットしているのか」と疑問を提起し、その理由について「愛の川に酔いしれる恋人、幻想にあふれたストーリーが中国の人々の想像力をつかんだ」と指摘している。

中国の映画評価サイトで10点満点中9．3点を獲得していることに触れ、ユーザーによる「言葉では言い表せないほど美しい。どのシーンも絵画のよう」というコメントを紹介。また、「映画の不思議な世界が、現実から逃げたいという中国の若者を引き付けた」と指摘し、映画を見た人の「自分の若い頃を思い出して、とても感動した」という感想も取り上げている。

映画に詳しい専門家Jonathan Papish氏は、「君の名は。」は中国の若者の心理に共鳴したと指摘する。「興行収入は中国の90年代生まれが押し上げた。二次元文化は中国の若者の間でますます流行しており、この流れに乗った」と分析している。ただ、日本アニメであれば無条件にヒットするわけではなく、今年公開された日本映画11作品のうちアニメは9作品だったが、このうち興行収入が2000万ドル（約23億円）を超えたのは3作品にとどまっている。

中国には2億人もの若者がおり、彼らによる娯楽市場は今後急速に拡大することが見込まれているという。記事は業界関係者の話を引用して、日本は少子高齢化で2025年には65歳以上のお年寄りが4分の1を占めるようになり、アニメの求心力は徐々に衰えると指摘。今後は海外の新しい市場の開拓を考える必要があると伝えている。（翻訳・編集/北田）