人民網日本語版 2016年12月28日(水) 1時10分
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リアルタイムでコメントできる動画サイト「bilibili」(ビリビリ)にアクセスすると、再生回数が数百万回に上る「我在故宮修文物」というドキュメンタリー動画に気づくはずだ。
リアルタイムでコメントできる動画サイト「bilibili」(ビリビリ)にアクセスすると、再生回数が数百万回に上る「我在故宮修文物」というドキュメンタリー動画に気づくはずだ。5万件近く寄せられたコメントを見ると、このドキュメンタリーの主人公の一人、故宮時計修復室の王津さん(55)が、多くの若いファンから尊敬されていることがわかる。北京晩報が伝えた。
王さんは16歳から故宮で働きはじめ、もうすぐ勤続40年。「1年目は文化財に触ることができず、道具の使い方に慣れ親しむところから始まった。1年後から最もシンプルな宮廷時計の修復を始めた」。4年間の修業を経た王さんは1981年に、ようやく比較的重要な文化財の修復に取りかかることができたという。
王さんが修復したなかで最も印象的だった文物は、「マジシャン時計」だ。この時計はスイスの巨匠が1829年に製造したものだ。時計の中にはマジックをする老人がいて、手に豆や玉を持っている。動き出すと、上部の小鳥が絶えず口を開き、身を翻し、羽を動かす。その下の丸い玉が回転し、3枚の円盤も絶えず色を変えつつ回転するという不思議な時計だ。
「1998年に修復を検討し始めたが、なかなか手を付けられなかった」という王さんを困らせたこの時計には1000個以上の部品が使われており、7つのシステムと5組の機械が連動し、その台の歯車はまるで「迷路」のような多さ。「スイスの専門家も見に来たことがあるが、世界でも公に認められている最も複雑な西洋時計の一つだ」と王さんは語った。
王さんは1年以上の時間をかけ、この時計を修復した。2010年に修復が終わると、この時計はオランダで半年展示され、現在は完全な状態で倉庫内で保管されている。
そして「時には海外旅行もするが、どこに行っても時計を見たくなるのは職業病と言っていいだろう」と話す王さんは世界的に有名な「孔雀時計」を見るためわざわざロシアを訪れ、スペインの王宮でもアンティーク時計ばかりを見物したという。しかし、様々な時計を見た王さんだったが、結局は故宮の時計が一番だと語る。王さんによると「構造が精密で、機能が複雑な故宮の収蔵品は、世界で他にはない存在」なのだそうだ。
王さんは「清代の順治帝、康熙帝、乾隆帝の3人の皇帝は、西洋時計をこよなく愛した。これは皇帝の高級な機械仕掛けの玩具といってもよいだろう」と語る。
王さんが考える「大国の匠」の精神とは、ある業界で仕事にこだわりを持ち、最高を求める精神のことで、この「職人精神」は手工芸の職人だけではなく、どのような業界にも存在するとしている。
王さんによると、このドキュメンタリーが話題になったことで、今年1万人以上が故宮博物院に職を求めに来たという。そんな現状に王さんは「人々が故宮や文化財の修復に関心を持っていることを、非常に喜ばしいと思っている。しかし故宮に就職するならば、まずサイトに公表されている募集要項を閲覧し、自分の専門と合っているかという点を考えるべきだろう。個人的には、心から好きであることが何よりも重要だと思う」と述べた。(提供/人民網日本語版・編集/YF)
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